ページ内にRSSアイコンをつけるだけではダメ
大量のメール配信ユーザーデータを持っている企業が、その情報配信手段のすべてをRSSに置き換えるのはたしかにもったいないが、既存のウェブサイトやこれから立ち上げるサイトにとっては、10%といえども、RSSの利用ユーザーはリピーターとなる可能性が高く魅力的だといえる。そこで、サイトでRSSを配信する際のポイントや注意点について阿部氏に聞いた。
自動検知タグの設置
サイトのRSSをエンドユーザーに直接購読してもらいたい場合、ページの中にRSSアイコンを載せただけで満足してしまい、「自動検知タグ」を設置するのを忘れがちになる。この自動検知タグをHTMLの中に記述しておくことで、ブラウザのアドレスバーなどにフィードのアイコンが表示される。

ブラウザの機能であるため、どのサイトでもユーザーは同じ操作で購読することができる。自動検知タグを入れてから、ユーザーの訪問数が劇的に伸びているケースもあり、ブラウザ側のフィード自動検知機能の利用率は思っている以上に高い。
また、自動検知タグやページ内のフィードアイコンは、トップページだけでなく、サイト内のすべてのページに入れるが基本だという。
「なんとなくトップページページにアイコンを1つおいて満足してしまう企業さんは多いです。全ページに入れるための社内調整が面倒だとおっしゃる方もいらっしゃいますが、結果はまったく違います」

配信コンテンツの最適化
配信される記事のタイトルは、他のさまざまなコンテンツと並列に表示されることが多い。そのため、購読者にサイトへの来訪を促したり、情報を読んでもらうためには、記事タイトルの分かりやすさなども重要となる。『サイト名:記事タイトル』というようにサイト名が頭につく形式ではなく『記事タイトル:サイト名』といった読みやすいタイトルにする、記事本文や画像を含める、といった細かな調整を行うことで、サイト来訪率が向上することも多い。
効果測定
RSSでの効果を測定する場合、フィードを取りにくるユニークユーザー数である「購読者数」と「クリック数」の2つの指標がある。
「クリック数に関しては、リダイレクトの仕組みを使うか、RSSからのアクセスにパラメーターをつけて測定します。デスクトップツールなどからはリファラーがつきませんし、パラメーターをつけるはSEO的によくないという話もありますので、リダイレクトでのクリック測定となります。購読者数を増やし、記事を調整していけばクリック数は伸びるため、購読者数を気にされる企業さんが多いですね」
しかし、RSSはデスクトップツールやブログパーツなど、さまざまな場所で読まれているため、リファラーがつかない場合もあるなど、通常のアクセス解析ツールでは測定が困難な面もある。その場合は、フィードフォースが提供するRSS Suiteや、Google傘下のFeedBurnerを利用することで、RSSのアクセス解析が可能となる。
解析したデータに基づき、コンテンツの内容を見直していくことで、より最適なRSS配信が実現できる。
リニューアルを視野に入れ、RSS用の別ホストを用意
サイトリニューアルの際、フィードのURLが変わってしまうと、それまでの読者との縁が切れてしまう。そのため、将来も同じURLでフィードを配信していけるようサイトの開設当初から設計しておくことが重要となる。ASPなど、別のホストを当初から利用しておくことで、サイトのURLが変わってもフィードのURLが変わることを防ぐことができる。
- 自動検知タグの記述は必須
- 配信する記事のタイトルや本文の形式を最適化する
- 効果測定のためのURLを配信する
- 流入経路などの詳細な測定をする場合は、RSS専用ASPを利用する
- URL変更やサイト拡張に備えてRSS専用の別ホストを用意しておく
