広告代理店向けに配慮した機能とは
では、AutoBidが広告代理店に対して配慮した点はどんなところなのだろうか。
「まず、ルールベース型であることです。ポートフォリオ型ですと、先ほど説明したように『いつの間にか止まっている』といった、説明責任が果たせない事態が起こる可能性があります。次に導入コストも抑えました。そして、もう1つが予算管理の充実です。広告主が出稿する場合、多少金額が超えてもあまり問題になりませんが、代理店さんが管理する場合は、預かっている金額を超えてしまうと補填してもらう必要があり、足りない場合は、本来請求する金額がもらえないといった問題が生じます。ですから、オーバーもせずショートもせず、できるだけぴったりと抑え、かつ予算の中でパフォーマンスを最大化する機能設計は必要であると考え作りました」と岩田氏は解説した。
例えば、広告予算が月間30万円の場合、1日平均の予算は1万円となる。 1日目に8000円使ったとすると、残りは29万2000円となるが、これを残りの29日で割ることで、1日の平均予算を変更する。日々の予算は少し足りないくらいで消化し、残りの日数で日ごとの予算額を変更していき、最終的には帳尻をあわせる設計となっているのだ。
代理店ニーズを吸い上げ機能を充実させていく
AutoBidは現在のところ、同社の効果測定システム「アドエビス」とは連携しておらず、独立したツールとなっている。この理由についても広告代理店への配慮にあると岩田氏は説明する。
「アドエビスを利用する場合、広告入稿するときに、広告のURLをアドエビスのものにしていただく必要があります。これは、効果測定を行うためにいったんアドエビスのサーバに行ってカウントするためです。AutoBid導入の際に広告をアドエビスのURLに差し替えるとなると、一時的に広告がストップしたり、品質に影響があります。このため差し替えは代理店さんの一存ではできず、必ず広告主への確認が必要となります。そういった意味でも代理店さんが単独で変更できるよう、導入のハードルを下げています。効果測定データは、媒体のトラッキングデータを活用しています」
もちろん今後は、アドエビスとの連携も視野に入れているというが、例えばレポーティングの自動化など、代理店のニーズに適合する機能を優先してバージョンアップさせていく。
また、リリース後の代理店側の反応は「景気の悪化とともに、費用対効果に対するニーズが高まったので『AutoBid』に期待している、という声を多くいただきました」(岩田氏)とのことだ。
アドエビスを皮きりにクロスセルを狙っていく
最後に、ROIが厳しくなっている状況下での、同社の事業について尋ねると「アドエビスに関しては景気が悪化によるプラス面とマイナス面があります。おかげさまで申し込みは増えていて、かなり追い風になっています。しかし、アドエビスは、クリックに対してチャージするのですが、クリック数自体が減っています。効果が出るところだけに広告を出すので、全体的に広告金額が縮小しているのでしょう。
ただ、アドエビスは、もともと導入のきっかけとなるためのサービスで、そのあとオプションサービスをクロスセルしていく戦略をとっているので、例えばログ解析といったのオプションを提供していければと考えています」と中長期的な展望から、今後の意気込みを語った。
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