書店員向けツアーの実施/日経MJで広告を展開
価格戦略、付録での付加価値形成など、売りに直結する施策以外にも新たな試みをはじめている。例えば、最近では、書店員を対象に雑誌の印刷工場を見せるツアーを行った。
「弊社の商品に対してより愛着を持ってもらうための仕掛けとして、書店員さん向けに印刷工場見学ツアーを企画しました。雑誌が作られる工程を見ていただき、編集長と交流していただくことで、雑誌により親近感を持ってもらえるのではないかという狙いです。他業界のメーカーさんは流通を非常に大切にしていますが、出版業界の場合、そのような試みを行っているところはほとんど無いそうなので、とても喜んでいただけたようです」

また、最近では日経流通新聞(日経MJ)で4面にわたる広告掲載を展開している。20代女性向けの雑誌である『sweet』の広告をなぜ日経MJで行うのか。それは、『sweet』への出稿を検討してもらえるであろう広告主に対するアピールに他ならない。
見開きのページでは、sweet5月号の誌面を広告クリエイティブとして活用している



自分たちの得意ジャンルで勝負
最後に、ネットメディア事業の展開について聞いてみた。
「早くから宝島ワンダーネットという別会社でEコマース事業、コンテンツビジネス事業を行っています。今後も、優良なコンテンツを読者の求める形で提供して行きたいとは思っているので、まずは自分たちが得意とする出版というビジネスの中で今までにない取り組みをしていくことが重要だと思っています」
既存商品の価値を戦略的に高めることで、快進撃を続ける同社。次はどのような一手を打つのか。今後も目が離せない。
