B to Cほど簡単に購入までたどりつかないB to Bの世界
「データベースマーケティングをやる上で、会社の意志決定や会社全体の施策にどれだけ影響をもてるかをきちんと見ていきたい」という保坂氏。次に、「顧客のロイヤリティを上げるためにデータベースマーケティングがどのような貢献ができるのか?」という疑問に対する1つの答えが保坂氏から紹介された。
「B to Bは、データベースマーケティングの効果が非常に出にくい世界。データの意味をきちんと伝えて、例えばパートナー企業や社内メンバーがデータに基づいて適切なアクションを起こしているかどうかまで見ていかないと、効果はなかなか上がらない」という。
それに加えて、B to Bのビジネスの中では、企業内個人と会社としての決定権が複雑に混じり合って最終的な購買の意志決定がなされる。
例えば、サーバー製品の購入までのステップを見ると、あるタイミングまでは企業内個人が非常に重要なステージがあり、ある時点から突然会社同士のやりとりとなる。特に、サーバー製品などでは会社のエンゲージメントが重要で、意志決定者(Business Dicision Maker)をどのように取り込んで行くかが重要となる。
そこでマイクロソフトが行っているのが、「企業内個人と会社」という2つの軸(ロイヤリティ)を定義し、その定義に基づいてマーケティングを組み立てていくという方法だ。
企業内個人のロイヤリティを高める
まず、個人のロイヤリティは、「エンゲージインデックス」というマイニングモデル(スコアリングモデル)で顧客とマイクロソフトとのコミュニケーションレベルをモデル化している。エンゲージインデックスでは、マイクロソフトのWebなどのチャネルに対して、3つの軸(頻度/Depth、幅/Breadth、更新度合/Recency)でモデル化を行い、この3つの軸で顧客のステージを図るのだ。
このエンゲージインデックスのスコアと購入金額にはっきりとした相関があり、企業内個人のエンゲージが購買に影響を与えることが確かなようだ。また、エンゲージインデックスのスコアは顧客満足度とも高い相関があることもわかっている。このことから、企業内個人とのコミュニケーションを高めることが、B to Bでも重要なことが分かる。
会社のロイヤリティを高める
それに対し、会社のロイヤリティはライセンスタイプと導入製品ポートフォリオでロイヤリティを構築している。マイクロソフト製品を幅広く採用し、製品利用期間が長く、マイクロソフト製品が業績向上に貢献しているのがロイヤリティの高い会社ということになる。
