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MarkeZine Day 2026 Autumn

Cookieレス時代のネット広告を考える~利用者保護とマーケティング成果を両立するために(AD)

Threadsの共感文化に馴染む「発話」とは?博報堂DYグループ×Metaが語る共感型マーケティング

 SNSの台頭により生活者の興味関心が細分化し、企業からのメッセージは届きにくくなっている。特に日本市場では、テキストを通じて緩やかに共感し合う「文字共感文化」が根付いており、ブランド価値の構築には生活者の共感を生む発話(UGCや対話)が欠かせない。本記事では、月間アクティブユーザー数がグローバルで5億人を突破し、日本でも利用時間が前年比130%増と急成長している「Threads」にフォーカス。マーケターに向けて、次の発話プラットフォームを活用するための実践的なヒントを共有する。

情報過多時代の課題と日本に根付く「文字共感文化」

──博報堂DYグループでは、企業による「Threads」の活用支援にも注力されはじめているとうかがいました。背景を教えてください。

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株式会社博報堂 デジタルビジネスデザインセンター プラットフォーマー戦略局 メディアプロデューサー 竹島 絵奈氏
新卒で博報堂DYメディアパートナーズ(現在は博報堂)に入社。新聞社担当からキャリアをスタート。その後複数の大手プラットフォーマーとのパートナーシップ構築に従事。現職ではMetaに特化した、クライアントのビジネスグロース支援および博報堂DYグループオリジナルのソリューション開発を包括的にリードしている。

竹島:博報堂DYグループでは、ThreadsをはじめとするSNSにおいて、生活者のみなさまとブランドが共に価値を育む『共創関係』を築くためのコミュニケーション設計に注力しています。

 生活者の興味関心は、年々多様化・細分化しています。それに伴い、企業やブランドが従来型の「1つの統一メッセージをマスに向けて発信する」手法では、生活者の共感を生みづらい構造になりつつあります。ブランド価値を伝えるには、一方的な発信ではなく、生活者との対話を生むコミュニケーション設計が不可欠になっています。これはThreadsに限らずSNS全体に対する視点です。

 こうした「発話」を軸に日本のSNS環境を紐解くと、早くからその土壌を形成してきたのがXだと考えています。本音を直接口にしにくい建前文化をもつ日本において、テキストを介して深いつながりや共感を醸成する「文字共感文化」は、Xの台頭によって根付いたと思います。

 現在の環境において、Xが災害時の情報収集など「リアルタイム性」に強みを持つ一方、Threadsは日常やライフスタイルに根差した「対話の場」として独自のポジションを築いていると考えています。博報堂DYグループの生活者調査によると、Threads高頻度利用者の多くがInstagramを併用しており、Instagramでの既存のつながりを土台に、テキストベースで関係性を深めていく構造が見えてきます(※1)。

 つまりThreadsは、Instagramで培った視覚的な世界観や既存のつながりを土台に、テキストでより深い関係性を構築できる構造を持っています。

 このように「関係性を軸に発話を促す」構造こそがThreadsの顕著な特性であり、私たちがThreadsに着目している理由です。

※1 出典:2025年博報堂 生活者統合タッチポイント調査

「会話のプラットフォーム」Threadsの急成長と特徴

──Metaの河村さんにうかがいます。日本でも利用時間が前年比130%増と急成長を続けるThreadsですが、「次の発話プラットフォーム」としてどのような特徴や強みがあるのでしょうか。

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Meta 日本法人Facebook Japan G.K. Agency Partner Manager 河村 拓氏
Facebook Japanに中途入社後、自動車・CPG ・テック業界のプランニングに携わる。その後、代理店パートナーシップチームへ異動し、現職。

河村:Threadsの大きな特徴は、誰もがオープンに参加しやすく、飾らないリアルな日常会話が生まれやすいプラットフォームであることです。実際、日本でも利用時間が前年比で大きく伸びており、急速に利用が広がっています。 また、単に投稿を見るだけではなく、情報収集の場としても使われているのが特徴です。興味のあるテーマについて、企業や著名人だけでなく、実際にそのテーマについて話している人たちのリアルな声に触れられる。そうした使われ方が広がっています。

 そして、Threadsを「次の発話プラットフォーム」と考える上で特に重要なのが、会話が生まれやすいことです。Threadsでは、投稿そのものだけでなく、その後に続く返信も含めてコンテンツとして楽しまれています。実際、インプレッションの50%以上を返信が占めており、これはThreads上で「投稿して終わり」ではなく、「そこから会話が始まる」ことを象徴していると思います。

 ブランドにとっても、これは大きな意味があります。一方的にメッセージを届けるだけではなく、生活者のリアルな反応を受け取りながら、ブランド自身も会話に参加していく。そうした双方向のコミュニケーションが自然に生まれる環境です。

 さらに、安心して会話できる環境づくりにも力を入れています。ネガティブなコンテンツを評価しない仕組みに加えて、コメント管理では返信の承認機能や非表示ワードの設定なども提供しています。

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鈴木:こうしたThreadsの市場特性と世の中の流れを受け、博報堂DYグループでは体制を刷新しました。以前は、プラットフォームの研究・戦略・運用支援を担う各チームがそれぞれ対応し、必要に応じて連携していましたが、現在では日々蓄積してきたデータやノウハウと、各担当者の専門知見を組み合わせ、Threadsにおいてもマーケティング戦略の設計から広告配信・運用、効果検証までを統合的に支援できるチームとして取り組んでいます。Meta様とも連携し、最新情報を得ながら対応を強化しています。

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株式会社Hakuhodo DY ONE SNS&Display本部 第一運用コンサルティング局 第二運用コンサルティング部 部長 鈴木 冴枝氏
2019年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(現・Hakuhodo DY ONE)に中途入社。株式会社アイレップに出向後、ECや美容系クライアントを中心に、SNS運用コンサルティングを担当。現在はクライアントの事業課題の解決を軸に、Meta広告を中心としたプラットフォーム活用支援に注力。組織全体の運用力・コンサルティング力の向上に取り組んでいる。

Threadsフィード広告特有の強みは?定量的に可視化

──博報堂DYグループの視点から、Meta広告のThreadsフィード配置における配信傾向や、他配置面と比較して見えてきた定量的成果をお聞かせください。

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株式会社Hakuhodo DY ONE プラットフォームR&D本部 ブランドR&D局 第二R&D部  髙野 夢大氏
2021年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(現・Hakuhodo DY ONE)に入社。自動車・化粧品などのメーカーや、官公庁関連など幅広いクライアントのSNS運用コンサルティングを担当し、現在はSNSを中心としたブランディング広告の研究開発に従事。

髙野:私の所属するR&D(研究開発)部門では、社内データをもとに各プラットフォームを様々な角度から分析し、新たなナレッジの創出に取り組んでおり、Threadsについても傾向を継続的に分析してきました。今回はリーチ最適化とコンバージョン最適化の2つの観点から分析結果を紹介します。

 博報堂DYグループ内のデータで分析した結果、まず共通する傾向として、Threadsフィード面のインプレッション量は全体の10〜15%程度であり、Metaの他の配置面(InstagramやFacebookなど)の平均と比較してCPMが低くなる傾向が見られました(※2)。

 最適化別に見ると、リーチ最適化においてはCPMが他の配置面より約30%低くなる傾向が見られました。また、最適化には直接関係しませんが、投稿の保存・コメント・3秒以上の動画再生・リンククリックなどを含む「投稿エンゲージメント」指標についても、獲得単価が低い傾向が見られました。特にリンククリックや3秒以上の動画再生を効果的に獲得できており、これがエンゲージメント単価を押し下げている一因と考えています。

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髙野:コンバージョン最適化については、Meta内の他配置面ではリーチ最適化時と比べてCPMが大きく上昇する傾向がある一方、Threadsは緩やかな上昇にとどまるため、結果として他の配置面よりもCPMが大幅に低くなる傾向があります。CVR自体は他の配置面と大きな差が見られなかったものの、CPMが低いため、CPAも低くなる傾向があり、中には他の配置面と比較して最大70%低くなるケースも確認されています(※2)。Threadsのテキスト中心・会話中心という特性を踏まえ、後述する「コンバージョンにつながりやすい情報」をテキストに盛り込むことで、さらなるCVR向上の余地もあるでしょう。

 2つの最適化の分析結果をまとめると、Threadsへの広告配信は、現時点では一定のボリュームに限られるものの、CPMを低く抑えられる傾向にあります。また、Meta社においても複数の配置面設定が推奨されているため、こうした配置の1つとしてThreadsを組み込むことで、全体のパフォーマンス向上が見込めるのではないかと考えています。

※2 出典:博報堂DYグループの広告運用実績に基づく統計データ (2025年6月21日-2026年7月15日)

ユーザーの手を止めるには?発話を生むテーマ選定

──Metaの河村さんにうかがいます。Threadsのアルゴリズムにおいて、ブランドにとっては、どのような工夫があると良いでしょうか。

河村:大きく2つのポイントがあると思います。 

 1つ目は、冒頭で手を止めてもらうことです。Threadsはテキストを中心としたプラットフォームなので、特に最初の1〜2行が重要です。フィードを見ている中で、最初の瞬間に「これ、ちょっと気になる」「続きを読んでみたい」と思ってもらえなければ、そのままスクロールされてしまいます。

 そのため、伝えたい情報をいきなり説明し始めるのではなく、生活者が共感できる問いかけや、ちょっとした気づきから入ってみる。そうすることで、「自分のことかもしれない」と感じてもらいやすくなり、投稿を読み進めてもらうきっかけになります。

 2つ目は、返信したくなる余白をつくることです。Threadsでは、投稿して終わりではなく、その後にどれだけ会話が生まれるかも重要です。たとえば、意見を聞いてみたり、ユーザー自身の体験を聞いてみたり、いくつかの選択肢を提示してみたり。そうした「あなたはどう思いますか?」と自然に参加できる余白をつくることで、返信が生まれやすくなります。 

 Threadsでは、「何を投稿するか」だけでなく、どうすればその投稿を起点に会話が続いていくかまで考えることが、ブランド活用のポイントだと思います。

効果が良い/良くない言い回しは?検証済みThreads運用術

鈴木:個人的にThreadsで猫アカウントを始めてみたのですが、投稿内容によってコメントやいいねの集まり方に傾向の違いがあると感じています。たとえば「猫はなぜこんなに可愛いのか」というような問いかけにはコメントが集まる一方、単に「猫が可愛い」という投稿には、いいねはつくもののコメントはあまりつきません。

 広告においても結論を設けない問いかけや意見募集など、「相互発話を促すコンテンツ設計が不可欠」とまで現時点では明言できませんが、Meta広告配信全体に占めるThreadsへの配信量が一定以上のアカウントと、一定未満のアカウントを比較すると、テキストによる成果差も見えてきています。

 Threadsへの広告配信量が多いアカウントでは、文字数や訴求のバリエーションが約2倍あり、言い回しに関しても、いわゆる典型的な「価格・割引訴求(「〇〇%OFF」「無料」など )」や「行動喚起ワード(「今すぐ」「チェック」など)」よりも、商品やサービス内容を具体的に説明する表現が使われている傾向が見られました。「TD(タイトル&ディスクリプション)を長めにしっかり書く」「同じ文言を使い回さずバリエーションを増やす」「割引・煽り文句よりも中身を説明する言い回しを使う」というほうがThreadsとの親和性が高い可能性があると考えています。

 こうしたことから、Threads広告においてもテキストの重要性は比較的高いと考えており、博報堂DYグループでは文字数や訴求のバリエーションについて、現在検証を始めているところです。広告配信量がまだ少なく、有効な方法がまだ十分に確立されていない段階だからこそ、早期に活用いただき、今後の配信量の拡大に備えて独自のベストプラクティスを見出していただきたいと考えています。

進化し続けるThreadsで各社の「ベスト」発見へ

──博報堂DYグループの皆さんにお伺いします。今後、どのようにクライアント支援を展開していきたいとお考えですか。

竹島:生活者の興味関心の多様化というマーケティング環境の変化に加え、Threadsのユーザー数が増加している今、当社でもThreadsを活用した支援案件や実績が着実に増えています。これまでの運用を通じて蓄積してきたノウハウやTipsをクライアントに還元しながら、引き続き、Threadsの体系的なプラニングから広告配信・運用、効果検証までを包括的にサポートしクライアントのビジネス成長と生活者のエンゲージメントが両立するコミュケーションを追求してまいります。

髙野:Threadsは今後、たとえばフォーマットの拡充や、検索リフト・ブランドリフトといった新しい分析・計測手法が追加されることになれば、マーケティング活用の可能性はさらに広がるのではないかと考えています。こうした進化にも柔軟に対応しながら、Threadsの導入・活用に課題を感じているクライアントとともに、最適なコミュニケーション方法を検討し、実行できる体制を整えていきたいです。

鈴木:アクティブユーザー数の上昇に伴いThreadsに関心を持つクライアントも増えてきています。ブランドセーフティーに関する機能が拡充され、広告成果についても社内の知見が蓄積されていることを踏まえ、Meta様とともに、クライアントがより成果を得られる仕組みを作っていきたいと考えています。

──最後に Metaから、日本の盛り上がりを踏まえた今後のブランドパートナーへの期待や展望についてお聞かせください。

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河村:新しいプラットフォームが生まれるタイミングは滅多になく、そのアーリーステージに皆様のご協力を得ながら関わっていけることは、非常に大きなチャンスだと感じています。日本のThreadsの盛り上がりはグローバルでも非常に注目されています。博報堂様、Hakuhodo DY ONE様のような力強いパートナーとともに、日本からグローバルにも繋がるような良い事例を生み出していきたいです。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Facebook Japan G.K.

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/77407