ローカルの熱狂が世界へ波及する?グローバルと日本をつなぐマーケティングの醍醐味
MZ:国内のキャンペーンに対して、グローバルからのフィードバックはありましたか?
ルービン:実は、『キャプテン翼』はアジア圏でも非常に人気がある背景も相まって、台湾やシンガポールから「日本のキャンペーンを活用できないか」という要望が寄せられたほどです。良いコンテンツやキャンペーンを作れば、地域を超えて伝播するという好例を作れたと思います。ユーザーに寄り添い、ユーモアのあるブランドキャンペーンは、国外への展開も十分に可能なのです。

ルービン:現在、グローバル企業の国内マーケターは本社のキャンペーンをそのまま日本で展開することに苦心しがちです。しかし、逆に日本で上手く解釈・制作した施策を世界へ発信する可能性も大いにあります。
たとえば、日本は公共交通機関が発達しており、OOHの影響力が非常に強い市場です。日本で成功したOOH施策が他国市場で通用することも十分あり得ますよね。日本の特異性を活かしたアクティベーションは、世界に通用するポテンシャルを秘めていると思います。
MZ:良い取り組みが地域を超えて広がる可能性を持っているというのは、マーケティングの醍醐味を感じられるお話です。
AI時代のマーケティングと、「伴走者」としてのブランドの未来
MZ:最後に今回の取り組みを踏まえ、今後の展望をお聞かせください。
ルービン:AIの進化によって「マーケターの仕事がなくなる」と言われることもありますが、私はソフトスキル、つまり人間の「感性」は決してAIに代替されないと考えています。
もちろん、AIは使いこなすべきです。今回も時間が限られている中で、AIツールなどを活用してクリエイティブ調査を行いました。通常なら2週間かかる内容のリサーチ結果が48時間で得られ、そのデータを基にクリエイティブを修正することで、よりお客様に共感いただける精度の高いアウトプットを実現できました。これはAIなしでは成し得なかったことです。
卓上のリサーチや確認において、AIは非常に優れた出発点になります。しかし、AIに完全に依存するのではなく、私たちマーケターが培ってきた経験や人間観察の知見をいかに施策に落とし込んでいくか。それが、AI時代のマーケティングのおもしろさであり、マーケターの力の見せ所です。
AIの精度はどんどん高度化しており、たとえば動画制作も「リアルすぎる」という修正指示を出すレベルまできています。マーケターは、恐れることなくAIツールを使い込んでいくことが重要です。何より、「Smarter AI for All」をビジョンに掲げる私たち自身が、まずはそれを実践・実証していくべきだと思っています。
MZ:ブランドとして、今後の方向性はいかがでしょうか。
ルービン:FIFAのテクノロジーパートナーとしての取り組みを新たな起点に、「AIを皆様の生活や企業活動にどう落とし込むか」というコミュニケーションを今後さらに深めていきたいと考えています。
上から目線でテクノロジーを提供するのではなく、お客様に寄り添い、抱いている願望や要望を叶えるための「理解者」そして「伴走者」でありたい。今の世界はテクノロジーによって、私たちが気付かないうちに様々な願いが実現しています。レノボもその一部として、皆様の環境や生活、仕事の向上に伴走していく存在であり続けたいと思っています。
