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MarkeZine Day 2026 Autumn

マーケティング最新事例 2026

レノボが挑んだ極限のスポーツテック。CMOが語る、2026年W杯の熱狂を支えた取り組みとローカル戦略

 北中米3ヵ国共催の形で行われ、熱狂のままに幕を閉じたFIFA ワールドカップ2026。同大会にFIFAの公式テクノロジーパートナーとして初参画し、世界最高峰のスポーツイベントを裏側で支えたのがLenovo(以下、レノボ)だ。本記事では、レノボ・ジャパンでCMOを務めるルービン利恵氏に取り組みについてインタビューを実施。ブランドとして掲げるビジョン「Smarter AI for All」に基づく戦略から、大会運営やファン体験の向上を支援する先端テクノロジー、日本市場に最適化された独自キャンペーンの裏側まで詳しく聞いた。

AIの恩恵をすべての人へ。レノボのビジョンに込められた真意

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、レノボのビジョンについてうかがいます。昨年のインタビューの中で、2024年よりAIにフォーカスした「Smarter AI for All」というビジョンが登場しました。改めてこのビジョンとマーケティング戦略への接続についてお聞かせください。

ルービン:我々が掲げるのは、AIを誰もが様々な形で活用できるよう、よりパーソナルで生産的かつ安全な体験の実現や課題解決を、レノボのソリューションを通して行う世界観です。環境や経済的なしがらみ、企業の規模など関係なく、すべての方がAIを通してより効率的で創造力豊かな生活を送れるようになること。それが「Smarter AI for All」の核心です。

 このビジョンが具体的には何を意味するのか、疑問に思われる方も多いと思います。今までレノボといえば“PCの会社”というイメージを持たれる方も多かったと思います。しかし実は、PCのバッテリー効率を良くしたり、重い作業を効率的に素早く処理したりと、見えない裏側では当たり前にAIが活用されています。

 さらに視点を拡げると、大規模なサーバーの効率化やエッジテクノロジーによる情報の高速処理など、AIが貢献する領域は本当に幅広いのです。そして、このあらゆる分野でレノボはAIを提供し、AIを活用しやすくするプラットフォームを構築しています。このようにレノボでは、PCというデバイスにとどまらず多様なソリューションで、AI活用の場をお客様に提供しています。

レノボ・ジャパン合同会社 CMO ルービン 利恵氏GoogleやAmazonなどグローバル企業の本社最前線で30年近くにわたり、マーケティング、事業開発、ブランド戦略をリード。2025年より現職に就任し、レノボおよびNEC(LAVIE)ブランドを含む日本市場全体のマーケティングを統括する。「Smarter AI for All」のビジョンのもと、テクノロジー企業としてのレノボの認知拡大とAI時代の新たな体験創出に取り組む。
レノボ・ジャパン合同会社 CMO ルービン 利恵氏
GoogleやAmazonなどグローバル企業の本社最前線で30年近くにわたり、マーケティング、事業開発、ブランド戦略をリード。2025年より現職に就任し、レノボおよびNECPC(LAVIE)ブランドを含む日本市場全体のマーケティングを統括する。「Smarter AI for All」のビジョンのもと、テクノロジー企業としてのレノボの認知拡大とAI時代の新たな体験創出に取り組む。

ルービン:ただ、話の規模が大きくなり複雑性が増すと「結局、何をしているのか」と捉えられがちです。特に「AI」という言葉は毎日耳にしますが、人によって解釈が異なるものです。

 ですから、実装レベルで分かりやすく「これがあればペインポイントが解消される」と感じていただけるストーリーやクリエイティブ、キャンペーンを設計し、多くの方にAIをより身近なものとして皆様に伝えていくことが、マーケターの重要な役割なのです。

失敗の許されない極限の舞台──FIFAテクノロジーパートナー参画の背景

MZ:先日まで行われていた2026年のFIFAワールドカップにおいて、レノボはFIFAの公式テクノロジーパートナーとして初めて参画されました。中継画面でブランドロゴを見かけた読者も多いのではないでしょうか。今回の参画の背景と、取り組みを通した狙いをご説明ください。

ルービン:スポーツ領域において、レノボはこれまでグローバルで長年F1とパートナーシップを結んできました。単にロゴを掲出するだけでなく、裏側の運営から放送、観客のファンダムに至るまで、包括的にサポートしてきた実績があります。そして、これまでのレノボのブランド戦略全体の目的として、「デバイス企業」ではなく、テクノロジーで課題解消や付加価値を作る「ITソリューション企業」「テクノロジー企業」としての認知を獲得することがあります。

 今回、FIFAの公式テクノロジーパートナーに就任した背景には、「失敗の許されない極限の状況」下で我々のテクノロジーを実証する場として、これ以上にない舞台だという認識がありました。

 スポーツでは予期せぬ事態が必ず起こります。その感動や興奮、涙を瞬時に伝えなければならない放送において、ディレイ(遅延)は絶対に許されません。また、審判のジャッジにおいても、遅延なく正確なアングルや見え方を提供するデータ処理が不可欠です。

 運営面においても、世界中で何億人単位の視聴者がおり、スタジアムだけでも毎試合何万人もの観客が同時に集まります。その体験価値を最大化し維持しながら、セキュリティや安全性を確保し、選手・運営側への適切なオペレーションを担保しなければなりません。これらをすべてクリアして最適な環境を提供することは、テクノロジーを実証し披露する上で最適な領域となります。

MZ:極限のスピードと正確性が求められる世界トップレベルのスポーツで技術を実証できれば、他のビジネス領域でも同様のクオリティを提供できる証明になりますね。

ルービン:その通りです。失敗が許されない場だからこそ技術力を実感いただけますし、大会を無事に終えたことで、皆様により安心してレノボのテクノロジーを活用いただけると確信しています。

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運営・放送・ファン・競技の4領域を支えるテクノロジー

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/77658

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