市場成長を支える変化(3)AIの台頭による情報環境の変化
3つ目は、AIの台頭に伴う情報環境の変化です。
生成AIの普及によって大量のコンテンツが生み出される中、偽情報の拡散やサイバーセキュリティ、個人情報保護など、デジタル上の情報の信頼性や安全性に対する関心は、社会全体で高まっています。また、個人の興味や関心、行動履歴に基づいて最適化された情報や広告についても、生活者がその仕組みや情報の届けられ方を、より意識するようになると考えています。
こうした中で、情報との接点として改めて考えたいのが、リアルな空間に展開されるOOH・DOOHの役割です。デジタル広告が個人の関心に合わせて情報を届けられる一方、OOH・DOOHは、多くの人が共有する空間で、幅広い生活者に情報を届けられるという特徴があります。
そこに掲出されることで、企業や商品、出演する人の存在が、自分だけでなく、広く社会に向けて発信されていると感じられる。私は、このように広告を「世の中ごと」として伝えられることが、OOH・DOOHの価値の一つだと考えています。誰かと一緒に目にした広告が、その場の会話のきっかけになったり、さらに誰かに共有したくなったりすることもあるでしょう。
(提供:株式会社ヒット)
また、デジタル上のコンテンツは大量に生み出せても、現実世界の「場所」と「時間」は有限です。AIがどれほど進化しても、駅前の一等地を簡単に増やせるわけではありません。仕事の効率化によって自由に使える時間が増えても、私たちの1日は24時間のままです。
情報を「世の中ごと」として伝えられること。そして、量産できない「場所」と「時間」を通じて、生活者と接点を持てること。コンテンツを量産できるAI時代だからこそ、こうしたOOH・DOOHならではの価値は、より高まっていくと考えています。
総括:目的に応じてデジタル/リアルの特性を活かす戦略へ
前編では、生活動線上に広がるメディア、コンテンツの充実と番組化、AIの台頭による情報環境の変化という3つの観点から、OOH・DOOH市場の成長背景と、リアルな空間ならではの価値を考えてきました。
AI時代においては、目的に応じてデジタルとリアルそれぞれの特性を活かした広告コミュニケーションが、より重要になっていくと考えています。
では実際に、現在のOOH・DOOHはどのように活用されているのでしょうか。近年は、スマートフォンやSNSと連動した参加型の施策や、商品を試せるブースを併設した体験型の施策など、広告の掲出・放映にとどまらない活用の幅が広がっています。
後編では、実際の国内外の企業による体験型プロモーションの事例をもとに、リアルな接点を活かしたOOH・DOOHの活用方法を紹介します。
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三浦 純揮(ミウラ ジュンキ)
株式会社ニューステクノロジー 代表取締役/株式会社ベクトル 執行役員
新卒で株式会社ベクトルに入社し、入社後1年で北京支社の立ち上げに参画。2018年にニューステクノロジーの代表に就任。現在は、都内最大級のタクシーサイネージメディア「GROWTH」をはじめ、喫煙所サイネージメディア「BREAK」、屋外広...
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