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「グランズウェル」著者に聞く、企業がTwitterを有効活用する方法

 ここ数年で発達したソーシャルテクノロジー。消費者は、これらのテクノロジーを活用して企業や製品を格付けし、また選択するようになっている。米フォレスター・リサーチ社のシニアバイスプレジデントであり『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 』の著者であるジョシュ・バーノフ氏は、こうした社会現象を「グランズウェル(大きなうねり)」と呼んだ。9月上旬に開催された「ad:tech Tokyo 2009」での講演のため来日した同氏に、現在のソーシャルテクノロジーを取り巻く状況やその活用戦略などについて聞いた。  

書籍発刊後のソーシャルテクノロジーを取り巻く状況

 米国で2008年5月に刊行された書籍『Groundswell(グランズウェル)』。ブログやSNS、wiki、YouTubeなどに代表されるソーシャルテクノロジーは、人々の行動や生活を大きく変化させ、その影響はあらゆる企業に及んでいる。著者らはこの現象を「グランズウェル(大きなうねり)」と呼び、多くの企業が対応する方法を模索しはじめている。

米国では2008年5月に刊行。日本では2008年11月に翔泳社より出版されている(書籍詳細はこちらへ)。
米国では2008年5月に刊行。日本では2008年11月に『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 』というタイトルで翔泳社より出版されている。

 書籍では、テクノロジーが生み出す人々の関係性に焦点をあて、企業が消費者と良好な関係を築きながら収益を上げるための目的(具体的には、「耳を傾ける」「話をする」「活気づける」「支援する」「統合する」など)に沿った戦略づくりのノウハウを具体的な事例とともに解説している。

 刊行から1年を経て、ソーシャルテクノロジーを取り巻く環境の変化についてバーノフ氏(写真左)に聞くと、企業はソーシャルテクノロジーを概念としてではなく、実用的なものとして活用し始めているという。

 「本を出版すると、その本のテーマがその後の世の中に合っているかを問われますが、私は非常にラッキーだったと思います。この本を出して以来、一般企業の間でソーシャルテクノロジーに対して高い関心が生まれていると思いますし、ソーシャルテクノロジーに対してもっとリサーチをはじめる企業が増えていると思います。これまでは、それがコンセプトとしての活用でしたが、今ではより現実的に、企業の一つの価値としてスタートするという大きな変化が発生していると思います」

 世界的な不況下において、マーケティングの予算をかけずにビジネスを拡大したいニーズが増している。こうしたニーズに対してソーシャルテクノロジーを活用したい企業はなにをすべきなのだろうか。バーノフ氏はつぎのように語った。

 「この不況下では、テレビ・ラジオ・新聞への企業の投資は実際に減っていて、逆にソーシャルテクノロジーに対する投資のほうが増えているという具体的な流れがあります。弊社で企業のマーケターを対象にした調査において、ソーシャルテクノロジーへの投資は『減っていく』『維持』『増やしていく』といった質問をしたところ、95%が維持か増やしていくという回答でした。そういう意味ではこの不況下において、ソーシャルテクノロジーは非常に鍵を握っていると思います。何から始めるべきかと言えば、まずは小さい事から、まずはソーシャルテクノロジーを十分に理解する事から始めて、そして効果を測定しつつ学習して次へいくということが重要です

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/09/29 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8456

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