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モバイル・マーケティング・エッセンス

ファンの育成に効果あり!
企業のモバイルサイト活用法とは?

モバイルサイトの特性に合わせ、目的と活用方法を明確に

 企業がモバイルサイトを用意するのは、SEOによるネガティブイメージを避けるためにも重要となる。とはいえ、単に企業情報を提供するページを用意しただけでは、継続的にアクセスしてもらい、有効に活用することは難しいだろう。モバイルで企業サイトにアクセスする人は増えつつあるものの、特に目的がない限り、Webサイトを継続的に閲覧しようとする人が増える訳ではないからだ。

 それゆえ、企業がモバイルサイトを展開する上で重要となるのが“目的”を明確にすることである。何のためにモバイルサイトを用意するのか、モバイルサイトで何をしたいのかをあらかじめ明確にしておかないと、無駄な投資となってしまうだろう。ことモバイルサイトはパーソナル性の強い“個”のメディアであることから、誰をターゲットとし、何をアピールしたいのかを明確に絞り込んでおくことは非常に重要だ。

 もう1つ考えるべきは、“その目的にモバイルサイトをどう生かすか?”ということである。モバイルサイトでプロモーション効果を発揮するには継続的な取り組みが必要であり、当然ながら時間もコストもかかる。最終目的の達成にモバイルサイトがどのような形で活用できるのか、モバイルサイトの利点と弱点、さらに費用対効果なども含めよく考えるべきだ。

 そこで一度振り返って欲しいのが、モバイルサイトが持つ特性である。これまでの連載で説明してきた通り、モバイルサイトは

  • ユーザー層がPCサイトと大きく異なる
  • 外出先より自宅での利用が多く、特にテレビとの相性がいい
  • 常に手元にあるのでパーソナル性が高く、リアル社会との結びつきも強い
  • 広範囲なアピールには向かないが、継続的なリピートに結びつけやすい

 などの特性を備えている。これらの要素を考慮し、モバイルだけでなく他のメディアなどとの組み合わせを考えながら活用方法を検討していくのがいいだろう。

“ファン”をより強固にするための活用が有効

 パーソナル性が高く、継続的なリピートに結びつけやすいという特性を考慮すると、モバイルサイトが適している用途の1つとして挙げられるのが“既存顧客の囲い込み”だ。既に抱えている商品やブランドの顧客を、実店舗や商品、マスメディアなどからモバイルサイトへ誘導。さらにメルマガなどによる有益な情報の提供や、ユーザーとのコミュニケーションによって顧客のファン意識を強めて商品やサービスへのリピート率を高め、口コミによる広がりを作るという活用が有効といえるだろう。

 一例を挙げると、カルビーでは“Jagabee”や“おさつスナック”などの商品にQRコードを付け、モバイルサイトのトップページではなく、それぞれのコンテンツが用意された商品専用サイトへ誘導をしている。これにより、商品に対して関心の高いユーザーを直接モバイルに取り込み、確実なアピールへと結びつけている。さらに主力商品の1つ“じゃがりこ”では、コミュニティ機能を持つ会員制の「それいけ!じゃがり校」というコンテンツを提供しており、ユーザーとのコミュニケーションを密にして新商品やパッケージなどの開発にその声を生かしているという。

 モバイルコンテンツの世界でも同様の事例が見られる。それは“ファンサイト”の増加だ。近年、モバイルの公式コンテンツにおいて、芸能人やアーティストの有料ファンサイトが増えている。こうしたサイトが人気となるのも、確実にお金を払ってくれるファンをつなぎ止め、彼(女)らに対する的確なアピールがしやすいという、モバイルサイトの特性が生きているからこそといえるだろう。

 一方で、モバイルサイト上でのアピールは広範囲に広がりにくく、“不特定多数にアピールして顧客獲得”というマス的な活用は難しい部分がある。そうした用途にモバイルを活用するのであれば、SNSなど既に多くの人が集まっているサイトを活用し、嗜好の合うユーザーの心に響く“狭く”“確実な”アピールをするべきだろう。

▲カルビーが展開するモバイルサイト。
個別商品のページも用意しており、各商品のQRコードからそれぞれのページへ誘導しているという

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利用者層を考慮したコンテンツを用意する

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この記事の著者

佐野 正弘(サノ マサヒロ)

エンジニアとしてゲームや携帯コンテンツなどの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターへと転身。若者のケータイ文化からスマートフォンまで、携帯電話に関する多くの著書を手がけるほか、講演やテレビ等へのコメント等も行っている。近著に「Touch Diamond&Touch Pro 入門ガイド」(翔泳社)「ケータイで稼ぐアフィリエイト 最新情報版」(技術評論社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/11/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/8646

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