セキュリティ対策でコンバージョン率アップ
登壇した平岩氏は「今まで、セキュリティの観点からしかSSL(Secure Socket Layer)をお話しする機会がなかったのですが、最近新しいSSL証明書が出てきた中で、売り上げあるいは会員数、メンバーシップの数が上がりましたよというケーススタディが出てきました。日本での事例も交えてセキュリティとマーケティングのつながりをお話していきたいと思います」と切り出した。
例えば訪問者が1万人いて、申し込みのフォームに記入する人が500人、実際に購入する人が25人のサイトがあったとする。この購入する人を倍にするためにどんな施策があるかとイメージすると、広告を投入して訪問者を倍にすることで実現する方法が思いつくが、この効果は一時的であると平岩氏は指摘する。同社のセキュリティ対策によるコンバージョン率向上の事例は、訪問者を増やすことに費用をかけるのではなく、購入のコンバージョン率が上がったもので、さらにそれは持続性があるとした。
ネットショッピングとセキュリティの関係
続いて平岩氏は、ネットユーザーの動向からネットショッピングの動向とセキュリティの関係について説明をした。「最近はインターネットで買い物をする人は増えているものの、一部、購入を控えるお客様もいます。総務省データでは、クレジットカード番号の流出や、企業に対する信頼、個人情報保護の問題により、ネットで買い物をしない人がいる」とした。またインターネットバンキングのユーザーは、SSLに対応していることや有名企業であること、プライバシーポリシーの提示があることを重視しているという独自の調査結果を示した。
一方、ネットで買い物する理由は、営業時間を気にしなくていい、移動時間や交通費がかからない、珍しいものが購入できる、商品が比較しやすい、価格が比較しやすいといったインターネットの利便性を強調したものとなっているという。平岩氏は「ネットで買い物をする人は増加傾向ですが、一方でセキュリティ面で不安を感じている人がまだいるのも事実です。これらの不安を払拭することができれば、ネットで買い物をする人は今後も増加していくでしょう」とセキュリティの重要さを話した。
インターネット利用者の不安は、フィッシング詐欺などのインターネットのセキュリティに関する事故報道から受けるイメージもあるが、実際に被害にあうユーザーも多いのではないかと平岩氏は話す。このほか、DNSキャッシュポイズニングやSEOポイズニングなど、偽サイトへ誘導する手口や、IDやパスワードの乗っ取りなど、ユーザーの不安は絶えない状況であるとし「正しいサイトであることを見分けやすくし、お客さんの不安を積極的に解消することが企業の姿勢だとも考えます。ではどうやってということになりますが、これが私の考える1つの仮説です」持論を展開した。
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