ユーザーの検索行動に則したサイト最適化こそがSEO
「SEOは検索エンジンで自社サイトが上位にランク付けされるための対策と思われているが、本当はそうではない。ユーザーの検索行動に合わせてサイトを最適化することだ」──アユダンテ代表取締役社長の安川洋氏は、セッションの冒頭でこのように語った。
ユーザーの検索行動を把握するために
ユーザーの検索行動とは、その名の通り、ユーザーが検索エンジンにキーワードを入れてWebサイトを探す行為のこと。他の広告手段を使わない限り、「このキーワードで検索してください」と、事前にユーザーに知らせることはできない。つまりユーザーが入力するキーワードは制御することはできない。
では、ユーザーの検索行動を把握するにはどうすればよいのか。それを知る一つの手段が、Googleキーワードツールである。これはGoogle AdWordsユーザー向けに公開されているツールで、PC向けだけではなくモバイル向けツールも公開されている。サイトのコンテンツに基づいたキーワードが見つかる便利なツールである。
該当するサイトのURLを入れると、関連するキーワードの候補が表示される。このとき注意したいのは、よく使われているキーワード(検索順位の高さ)だけにとらわれないことだ。「順位が高いキーワードを使ったからといって、ビジネスに役立つわけではない」と安川氏が語るように、自サイトを訪れるユーザーの数・質と検索順位は一致しないからだ。それ以上にモバイルSEOにとって重要な要素は、キーワードそのものだ。
例えば、結婚式場のサイトへの流入を獲得するためにはどんなキーワードでSEO対策をするべきか。安川氏は実際に、Googleキーワードツールで「結婚」にかかわる3つのキーワード「結婚式」「結婚式場」「ブライダル」を調査し、順位を披露した。最も順位が高かったのは「結婚式」だが、このキーワードは「スピーチ」や「余興」「服装」などの言葉とともに検索されている。つまり結婚式に参加する人が使うキーワードということだ。流入させたいのは、実際に結婚式をあげる人。つまり、このキーワードではターゲットユーザーを自サイトに流入させることができないことがわかる。ユーザーの数・質は、検索順位だけでは決まらない例である。