ソーシャルメディアの特徴
以下、ソーシャルメディアの特徴を挙げていく。
即時的であり、感情的であり、簡潔
- 常に正しい情報であるとは限らない
- 感情や、リアクション、感想の発見
- 情報の意味合いを正確に理解するために多くの場合で文脈が必要になる
自律的に情報が形成される (例えば、Twitterの場合はハッシュタグ、@user、RT、favorite、followsなどで情報が形成されていく)
- 影響力や注目度によって自律的なコミュニティが形成される
衆人環視の中で、情報を発信、取得
- ユーザーはほかのユーザー達が話していることについて話す
- いたるところからのコメントと観察
- コンテンツがないのであれば所望できる
- トップニュースと身の上話などが多く存在し、中間があまりない
これらの特徴をまとめた上でLee氏は「バラバラではノイズにしか過ぎないものが集まることによって『シグナル』となる」と指摘している。そうした、ソーシャルメディアの特性をとらえた場合、リアルタイム検索、ソーシャル検索の特徴は次のようにまとめられる。
リアルタイム検索とソーシャル検索の特徴
- 利用シーン、ランキング、関連性が通常の検索と異なる
- リアルタイム検索はしばしば“発見”を目的としたエンジンである
- リアルタイム検索やソーシャル検索と通常の検索の結果は多くの場合で異なる
これらは相互に影響している項目でもある。通常の検索とリアルタイム検索、ソーシャル検索は利用シーンが異なるのでランキングのつけ方が違い、検索結果も異なると言える。また、ランキングのつけ方が違うため、違った検索結果が表示されることで、利用シーンが異なってくるとも言える。
具体的に見てみよう。例えば、リアルタイム検索で注目の話題を発見しようとする場合、ある話題が通常の平均でどれくらい言及されているのかを参考に、現在の言及数が多いか少ないかを判断する。そうした場合、ランキングは原則、言及数の増減によって決まることになる。それとは別に、ある話題の捉え方が地域によってどう違うのかを調べたいのであれば、情報発信者の居住区などを参考にすればそれを知ることができる。
日本のYahoo!検索 スタッフブログでは検索クエリの増加具合を時系列と地域情報に基づいて観察することで、何が起こっているかを発見することが可能であることを指摘している(参考:北海道の人は怖い話が好きなのか? ―地域検索の世界 その2―)。リアルタイム検索やソーシャル検索を利用することで、時系列と地域情報で分かることからさらに一歩踏み込んで「何が起きつつあり、どう捉えられているか?」が、情報として取得可能であることがお分かりいただけるのではないだろうか。
ソーシャルメディア+専門検索という新たな視点
Lee氏の他に興味深かったプレゼンターはTwitter Job Searchを運営するWorkdigital, Ltd.の共同創設者であるWilliam Fischer氏だろう。Twitter Job Searchは、Twitter上に配信されている求人サイトや人事情報の検索を可能としたサービスだ。

筆者の感覚では現状、同サービスの検索精度は多少の難が見られる。しかし、同社の試算で480億ポンドとされる世界の求人市場のパイを奪うことができれば、面白いサービスになるのではないだろうか(参考:Journalist in Japanの検索結果)。
