顧客との持続的なタッチポイントとなる「ウィジェット」
「ウィジェット」とは、デバイスやWebに貼付ける小型のアプリケーションのことである。2005年頃はPC上で起動する、時計やカレンダーなどローカル環境で動くものが中心だったが、2006年頃からWebコンテンツとの連携タイプが登場した。
そして、2007~2008年頃からSNSやブログに貼付けることができる「ウィジェット」が誕生し、利用者の増加とともに企業がプロモーションやマーケティングに活用するようになった。近年では、テレビや携帯電話などにおいてもサービスが開始されつつある。
ネットマーケティングにおいても、ウィジェット活用が広がる理由として、小堀氏は次の3点を挙げて説明する。
- 迷惑メールフィルターの浸透により、メールマガジンが必ずしも有効なツールになり得なくなりつつあり、軽くて気軽なコミュニケーションツールが求められている
- ブログやSNSといった消費者参加型のサービスが急拡大しており、一大メディアとなっており、そこでの接触機会が魅力的な場になっている
- Webの総利用時間が増えてはいるが、ページビューは減っており、固定したサイトのみのチェックしかしない方向性がある
こうした背景から、「さまざまな場所にタッチポイントをつくりトータルでの情報への接触機会を向上させることが企業にとって重要な課題となっている」と小堀氏は指摘し、その1つとしてウィジェットが役割を果たせるのではないかと説いた。
事実、現在はメルマガ、検索エンジン、RSSリーダーなどとともに、ブログやSNS上でのウィジェットを通じて、企業サイトへと循環し、企業と個人が直接つながることができる環境ができあがっているそうだ。
急成長中のウィジェットサービス『FLO:Q (フローク)』
では、ソニーが提供するウィジェットサービス『FLO:Q (フローク)』はどのような成長を見せているのだろう。
「ブログパーツ版の『FLO:Q』は2007年11月に登場したサービスです。現在会員数は18万人/45ブログサービス対応に対応し、月間imp数は約2.0億impとなっています。また、2008年8月からは、デスクトップ版も展開しているのですが、VAIOシリーズにプリインストールされるなど、ソニーの強みを活かしたビジネスを展開しています」とし、ビジネスとして急成長している点を強調した。