ドメイン/ホスティングにも要注意
サーチエンジンのアルゴリズムがますます複雑化する今日、ドイツ語のページを設置すればドイツでの検索結果に表示される、という訳にはいかなくなってきました。
まずここで気を付けてほしいのは、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語など、外国語は複数の国で使われている場合が多いということです。北アメリカと西ヨーロッパでは圧倒的にGoogleが市場シェアを握っていますが、Googleは検索ユーザーのロケーションを重視し、その国内のサイトをより上位に表示するという傾向があります。例えば、日本で「Apple」という英語のキーワードで検索しても結果はまず日本語サイトのみが表示されるように、同じキーワードで検索してもイギリス、アメリカ、オーストラリアでは結果がまったく違います。
設置したサイトの対象国/市場を明確にする1番の方法は、その国のドメイン(ccTLD)を取得し、その国でサイトをホスティングすることです。例えば、ドイツ、スイス、オーストリアを対象にしたドイツ語サイトを作成する場合には、「.de
」「.ch
」「.at
」を取得し、それぞれサイトを設置します。
コストなどの都合で別々にドメインを取得せず、既存ドメインを使わざるを得ない場合もあるでしょう。例えば、「www.yourdomain.jp/de/
」や「www.yourdomain.jp/ch/
」が考えられます。しかし、このURLではサーチエンジンには指定したい国が伝わらず、同じドイツ語のページ/サイトが複数存在する=重複コンテンツが存在するためにペナルティの対象となります。ここでのペナルティとは、サーチエンジンが複数存在するドイツ語サイトの中から1つをドイツ語の代表サイトとして選んでインデックスし、他のドイツ語サイトがインデックスされない事です。
幸いGoogleでは、ウェブマスターツールで各ページの対象国を指定できるようになりました。対象国別にccTLDを取得しない方は、必ずこの機能を利用してください。

サイトのパフォーマンス(ダウンロード時間)という点でも、各国でホスティングすることがより望ましくなってきました。例えば、資料請求やデジタルコンテンツの販売などを目的としたサイトの場合、日本で素早くダウンロードできるページでも、海外では結構時間がかかり、中にはタイムアウトしてしまう場合もあります。サーチエンジン側もサイトのパフォーマンス向上を呼びかけています。画像のサイズやコンテンツの場所など、さまざまな工夫が必要です。
サーチエンジン対策は市場ごとに
北米や西ヨーロッパではGoogleが圧倒的に市場シェアを握っていると書きましたが、他の市場に目を向けるといろいろなサーチエンジンを対象に対策を取る必要が出てきます。例えば、お隣の韓国ではNaver、中国ではBaidu、ロシアではヤンデックスが主なサーチエンジンです。それぞれアルゴリズムや検索連動型広告サービスに違いがあるので、ここでもサイトや広告を単に訳すのではなく、対象とするサーチエンジンに合わせた対策を取る必要があります。
海外のサーチエンジン情報やSEM対策などの情報収集には、各サーチエンジンのブログやsearchengineland.com、searchenginewatch.com、webmasterworld.comなどをおススメします。
忘れちゃいけない海外対応の各種ツール選定
キーワード、キャンペーン管理、アクセス解析など、ツールにかなり投資しているサイトも多いと思います。せっかく設置するサイトですから、外国語サイトもデータを収集して状況を把握し、改善に活かしたいですよね。
これまでは日本語サイトと日本市場のデータが収集できれば問題ありませんでしたが、海外展開を見据えて今後ツールを導入する場合には、進出を考えている国のデータを収集できるツールかどうかも念頭に、最適なツールを選んでください。
この他にも、会社やサイトの規模や構成状態によって考慮すべきポイントはいろいろとありますが、基本的なポイントについてご理解いただければと思います。十分な準備を行なって、2010年はぜひ世界を相手にビジネスを展開してください。