2009年大躍進を遂げたiPhone
「iPhoneはパラダイムシフトを起こした。スマートフォンに分類されるがiPhoneは別の化け物」
2009年の手応えはどうだったかと質問して、アドモブ株式会社(以下、AdMob)のジョン・ラーゲリン代表取締役社長からはこのような答えが返ってきた。
iPhoneやiPod touchの国内ユーザー数は公開されていない。しかし、グローバルに見ても、2009年12月の発表で、日本は2009年1月から比べてiPhoneサイトとアプリケーションにおけるインプレッションが300%伸び、世界一の伸び率となった。
「調査結果で見る限り日本のiPhoneユーザーは、通常の携帯電話でよく使われている電話やメールよりも、むしろアプリケーション利用やWebサイトの閲覧にiPhoneを使っています。現状はまだWebサイトを閲覧している割合が高いですが、アプリケーションの利用も活発です」
AdMobの調査によると、国内でのiPhone利用者は東京、大阪、名古屋といった都市部に多く、男性は30~40歳、女性ユーザーは20歳後半~30歳半ばがボリュームゾーン。年収も比較的高めで、自分から情報を発信するトレンドセッターが多い。トレンドを仕掛けようとするなら、マーケッターにとっては無視できない層になっている。
端末自体の伸びに加え、AdMobによるアプリケーション開発者の開拓なども奏功し、同社の広告配信数はウナギのぼり。ラーゲリン氏がAdMobに加わった2009年5月当時、月間3000imp程度だった配信数が、現在では2億impほどにまでキャパシティは増えてきている。また、ユーザー数や1UU当たりの利用量も順調に増加しているという。
米仏では"iPhone or Nothing"、日本でも次世代スマートフォンは確実に来る
2009年はドコモとauが導入した新販売方式の“2年縛り”が最初に解けるタイミングと重なり、また、年末にかけてのクリスマス商戦によりiPod touchユーザーの増加が予測される。そして、Googleによる携帯端末「Nexus One」が発表され、2010年はいよいよAndroidも本格的な市場参入を始める。こうした状況を鑑みても、国内・海外ともにスマートフォンの波が来ているのは間違いない。
「海外にはiモードのようなサービスはなかったので、ユーザーがiPhoneに飛びついています。アメリカやフランスでは“iPhone or Nothing”。日本ではさすがにそこまでは広まらないかもしれませんが、2010年にはすごいAndroid携帯が出てくるかもしれないし、既存キャリアからも高機能な携帯が発売されるかもしれません。
iPhoneではなくても、リッチなアプリケーションが走り、タッチスクリーンなどで操作性に優れ、インターネットの技術すべてに対応するiPhoneクラスの端末が、今後一般化してくるでしょう。次世代スマートフォンの時代が来るのは確実だと思っています」