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モバイル・マーケティング・エッセンス

日本コカ・コーラの事例に見る、
モバイルサイトのプロモーション活用術


ユーザー特性を考慮し、即時性を重視したコンテンツ展開

 では、コカ・コーラ パークにおけるPCとモバイルとのユーザー特性にはどのような違いが見られるだろうか。江端氏によると、年齢的に極端な差は見られないものの、モバイルサイトのアクティブ層は若干若い傾向があるという。また即時性が非常に高いというのも大きな特長となっており、テレビ番組と連動したキャンペーンを展開した時などは、モバイルからのアクセスの方が反応が非常に速く、しばらく遅れてPCからのアクセスがやって来くるという状況であったそうだ。

 こうした特性があることから、コカ・コーラ パーク内では、モバイル向けにシーズンやブランドに応じた多くのコンテンツを用意、適宜入れ替えているそうだ。昨年の例でいうと、年間でおよそ300ものコンテンツを提供しているという。

 事実コカ・コーラ パーク内には、幅広い商品ラインアップに合わせた多数のコンテンツが用意されており、動画やFlashを活用したものなど、リッチなコンテンツも非常に多い。だがコンテンツがリッチになるほど、ユーザーの環境によって利用が限られたり、動作速度に影響してストレスになったりする場合もある。現在でもトライアンドエラーを繰り返しながら、使い勝手とのバランスをとっているという。

 江端氏は、PCとモバイルとで特性に違いはあるものの、その一方で双方は対立する存在ではなく、同時に成立するものであるという考えも示しており、その例として2008年の「コカ・コーラ オリンピック応援パーク」を挙げている。このサイトを立ち上げた時の前提としては、テレビだけでなくPC、モバイルも全て同時に視聴しているユーザーも多いのではないかという考えから、“テレビを見ながらPCで検索し、ケータイでコメントする”という使い方を想定し、それぞれの特性に合わせたコンテンツを用意したのだそうだ。

▲Flashや動画などを活用した、コカ・コーラ パーク内「ファンタ」のWebコンテンツ
▲モバゲータウンと共同で展開した「オリンピック応援タウン by Coca-Cola」

モバイルを用いてアピールするためのコツは?

 モバイルサイト上では幅広いアプローチが難しいという傾向もあるが、モバイルサイト上でのプロモーションについてはどのように考えているのだろうか。江端氏は、ターゲットを定めずにアピールするのは難しいと話しており、“10代が多い”“30代が多い”などそれぞれのWebサイトやメディアの特性を生かし、自社サイトだけでなく、パートナーシップを組んでターゲットを絞ったアピールをしていると話している。

 事実、これまでにも「モバゲータウン」や「顔ちぇき」といった他社のコンテンツを活用したプロモーションを多く展開しているほか、コカ・コーラ パーク内でも自動車メーカーなど、ジャンルの異なる他社製品とコラボレートしたキャンペーンを展開。それぞれのターゲットに応じたアピールをしているそうだ。

 Webサイトだけでなくメールマガジンも活用しており、コカ・コーラ パークの登録者に商品情報などをアピールするモーニングメールを毎朝送付しているという。ただしこちらは登録会員向けということもあり、ユーザーの嗜好に合わせて1つの商品情報を送るというよりも、商品全体の情報を送って幅広いユーザーに多くの商品を知ってもらうという“横串”を意識して展開しているとのことであった。

 同社にとってあくまで重要なのは、実際の飲料品をどう販売するかということだ。それゆえモバイルやPCといったメディアにこだわるのではなく、それぞれのメディアの特性に応じた使い方が重要になると江端氏は話している。しかしながらPC・モバイルサイトはユーザーが能動的に参加・利用できるメディアであり、全てのハブとして機能するという他のメディアにはない特性を持っていることから、既に外すことのできない要素となっているようだ。

▲モバゲータウン上でのプロモーション事例

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可能な範囲で自主的に取り組み、実績を上げるのが理解への近道

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この記事の著者

佐野 正弘(サノ マサヒロ)

エンジニアとしてゲームや携帯コンテンツなどの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターへと転身。若者のケータイ文化からスマートフォンまで、携帯電話に関する多くの著書を手がけるほか、講演やテレビ等へのコメント等も行っている。近著に「Touch Diamond&Touch Pro 入門ガイド」(翔泳社)「ケータイで稼ぐアフィリエイト 最新情報版」(技術評論社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/21 11:05 https://markezine.jp/article/detail/9352

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