近年登場した「動画配信プラットフォーム」に共通する特徴
YouTubeが登場しそれがウェブのユーザに広く受け入れられたことで、半ば動画共有プラットフォームのデファクトスタンダードとして認められるようになりました。そのため、それ以後に登場した動画をターゲットにした新しい配信プラットフォームはYouTubeにはない何らかの特徴を持つ必要が出てきました。それぞれの新しい動画プラットフォームを個別に見ていく前に、まずはそれらが持ついくつかの共通の特徴を押さえてみましょう。
SaaS(Software as a Service)タイプのサービスモデル
アプリ利用者のホストではなく、サービス提供側のホストに動画のストレージを提供することで利用者の導入のハードルを下げています。同時に一定量まで無料または安価なCDN(コンテンツ配信ネットワーク)を提供している場合もあります。動画ソースをアップロードするとそれらは自動的にエンコードされ、多くの環境で配信されるのに適したフォーマットとしてサーバ側にアーカイブされいつでも配信ができるようスタンバイされます。
HD画質の動画配信
YouTubeでは2008年末の段階ですべての動画をHD画質で再生可能にしていましたが、これらの動画配信プラットフォームも当然のようにHD画質での動画素材のアップロードや配信に対応しています。ウェブ上の動画における画質の向上は著しいものがあり、DVD映像などと比べても遜色が無いものになってきています。
カスタマイズ可能なプレイヤーの提供
YouTubeのような動画共有サービスでは動画再生用のプレイヤーにサービスのロゴが入ったり、画面の隅に共通のウォーターマークが差し込まれてしまう可能性があります。そこで、サービスを利用するユーザごとにデザインをカスタマイズした動画再生用のプレイヤーを用意する機能を用意することにより、企業やその商品、サービスのブランディングをより確実なものにすることが可能になります。
オンライン動画編集機能
配信した素材の一部をカスタムしたり、これまでにアップロード済みのビデオ素材を複数組み合わせて新しい素材を作りたいときのために、プラットフォーム上で直接動画編集を行える機能を用意することで、多様な動画配信の機会を増加させたりコンテンツ制作の負荷を低減します。
動画再生に伴なうアクセス解析や効果測定
どの動画をどんなユーザが見たかということを分析することは、動画を使ったプロモーションやマーケティングには欠かせないプロセスです。YouTubeでは通常そういった動画配信に伴なう効果測定を行うことは難しいですが、動画配信プラットフォームは、どこからこの動画を見に来たかといったことから、全体の何秒まで動画を見たかといった行動分析に加え、どのような動画がサービスの問い合わせや商品購入につながったかということを設定できるものもあり、本格的に動画を全面に出したサイト展開も可能にします。
動画内への広告挿入機能
動画配信プラットフォームに加え、外部の広告配信用のサーバ(アドサーバ)製品と組み合わせることにより、動画内に広告を挿入することができます。もしあなたの提供する動画コンテンツがテレビ局のアーカイブコンテンツや動画コンテンツのオンライン視聴サービスだった場合は多数の利用者に幅広く利用されることが予想されます。そういったとき、動画の内部に広告を配置することにより、動画広告の広告収益に基づくマネタイズも可能になります。
外部サイトやモバイルへの動画のシンジケーションやアプリケーション作成機能
その他、動画配信プラットフォームによってはYouTubeなど他のサイトに動画をメディアRSSを通じて動画配信情報をシンジケートしたり、スケジュール配信機能により動画の計画的な拡散・配信を支援する機能を備えています。また、さらに動画活用の場面を広げるためにモバイル端末向けのエンコードフォーマットに対応したり、動画を利用したウィジェットの作成支援機能を提供している場合もあります。