拡大する動画活用において指標測定は急務
オンライン動画の活用が急速に拡大している。HuluやYouTubeに代表される動画専門のメジャーサイトだけでなく、企業のWebサイトやソーシャルメディアでのマーケティングにも動画が積極的に使われ始めている。だが、今日のオンラインでの動画活用には、次のようにいくつかの課題もある。
- 地上派やケーブルなど伝統的なビジネスでは動画は1ドルを稼げるのに、インターネットでは1/10ドルしか稼げない
- 最適な広告フォーマットはどれなのか?
- 「インターネットではコンテンツが無料」という神話
- 明確なビジネスモデルの欠如
しかしながら、オンラインでの動画活用はこれからも拡大を続けていくことが予想され、動画視聴における各指標の計測は広告の販売、マーケティングROI向上に欠かせない機能となる。
オムニチュアでも、オンライン動画の計測は企業が直面している大きな課題の1つと認識しており、同社が提供するアクセス解析ツール「SiteCatalyst」では動画計測用の各種機能を備えている。実際、動画の指標計測は既にかなりのWebサイトで実施されており、SiteCatalystには月間数十億以上の動画によるトランザクションがあるという。
このセッションでは、そうした動画視聴の計測を行っているSiteCatalystのユーザー企業の中から、Turner(A TimeWarner Company)社のデイヴィッド・ウィル氏が登壇し、同社での取り組みが紹介された。
世界屈指のメディア企業Turner社での動画活用
Turner社はCNNやCARTOON NETWORK、Turner Network Television、NBAなど、さまざまなメディアブランドをオンライン上でも展開している。動画と一口に言っても、その利用方法はさまざまであり、Tuner社においても多岐に渡る。
- 生中継
- オン・デマンド配信
- 埋め込み動画
- 動画クリップ
- エピソード(シリーズ物の連続ビデオ)
- アプリやゲーム内動画
まずウィル氏は、要件設定の一例として、NBA.comでの改善事例を紹介した。NBA.comでは改善を行うにあたり、次のようなゴールを設定していたという。
- 複雑で高度なレポーティング
- 動画プレーヤー/チーム/リーグごとに個別のトラッキング
- 生中継の動画、オン・デマンド配信、動画クリップ、YouTubeチャンネル、口コミ用の埋め込み動画など、全動画の再生をトラッキング
- これらの要件を“追加コストなく”、“Webチームへの付加を最小限に抑えて”実現
NBA.comでは、SiteCatalystで動画トラフィックと既存のWebトラフィックをマッシュアップさせたレポートを作成している。これは、ウェブチームやプロデューサなどのカジュアルユーザーと、エクゼクティブユーザーのどちらもが、欲しいレポートに簡単にアクセスでき、動画と 動画以外のウェブページを同時に比較しながら見られるようにするためだ。もちろんこの使い方の場合、両データの乖離がなく正確に取得されている必要がある。