アクセス解析ツールから見えてきたモバイルの特性
myRTモバイルを無料で立ち上げたことによって、伊藤氏はモバイルサイトのさまざまな要素が見えるようになったと話している。myRTモバイルの利用者動向を見ると、昨年は地方の新聞社やラジオ、商店街などの利用が増加したほか、今年に入ってからは女性の個人ブログが導入するというケースが増えているという。モバイルサイトは特定の層、特定の用途に向けて特化したものが多く、ツールの無料化によってそうした運営者にもアクセス解析情報を知りたいというニーズがあるということが見えてきたのだそうだ。
だが無料版の利用者が、有料ツールの利用へと広がる訳ではないようだ。伊藤氏によると、RTmetricsはコンテンツや商品を販売するような、モバイルで直接収益を上げている事業者には訴えかけやすいという。だがmyRTモバイルの利用者の中には、例えばリアルな商店のように、モバイルを店舗の誘導に用いるなどマーケティング的な使い方をすることも多い。こうしたユーザーはモバイルで利益が直接発生している訳ではないので、モバイルのツールにそれ以上の投資をするのは難しいとのこと。そうした場合同社では、ツール販売よりも、コンサルティングなどに結びつける方向性を考えているという。
モバイルサイトの使われ方が、データ解析によって見えてくるというのも大きいという。モバイルは地方での利用が多いといわれるが、実際に地方に行ったとしても、移動手段が車であったりするため、都心の電車内のように、モバイルサイトを実際に利用している姿を目にすることは意外と少ない。
しかしmyRTモバイルに登録している多くのサイトのアクセス情報から、例えば「モバイルサイトが夜に自宅で落ち着いて利用されている」「着メロや着うたを移動中に探すケースは少ない」など、モバイルサイトがライフスタイルに密着している様子を見ることができるようになったという。こうしたユーザーのライフスタイルを見て、自身のモバイルサイトの価値をいかに上げていくか。データとリアルとのコミュニケーションがサイト運営には重要となってくるのではないかと、伊藤氏は話している。


平日と休日とでは大きく異なっているのが分かる