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動画マーケティング最前線(AD)

アクセス解析の次は動画解析
完聴される動画とは

動画は外部サイトでの視聴数を無視できない

 Brightcoveのツールを使って動画の解析をする上で、特徴的なのは外部サイトでの再生数なども追跡できるところ。冒頭でも触れたが、YouTubeなどの動画がブログに貼り付けられることが多いように、自社サイト以外で再生される数も無視できない。特に音楽系の動画などは外部サイトでの再生数が多いそうだ。

 「3分の1から3分の2くらいは外部サイトで再生されています。動画が視聴された回数のうち、40%程度はSNSからだったというお客様も居ます。一概に言えることではないのですが、無視できない量であることは確かです」

 動画以前のやり方では、訴求したい情報は自社サイトでないと伝えづらい。だが動画という訴求手段を得たことで、プレーヤーさえ設置できれば訴求する場所は自社サイトでなくても構わなくなったということだ。

 「アメリカでは、特にFacebookの活用が増えてきています。先日もヒラリー・クリントンのスピーチがあった時に、国務省のサイトでライブ配信したほか、Facebook内にある国務省のページでまったく同じプレーヤーを置いて配信されています。Sony Musicではコンサートのライブ中継などもレコード会社のサイト、アーティストのサイト、Facebook、さらにファンサイトで配信された実績があります。自社サイトだけでトラフィックを集めようとすることには限界が出てきています。そうなった時に視聴数を稼ぐためにはどうすればいいのかと考えていくと、既に人が集まっている所に置くのが1番早いと。SNSやTwitterを利用しないわけにはいかないのです」

 YouTubeに動画を載せて、最初の15秒程度だけ見せて「後はこちらのWebで」と誘導する手法もある。TwitterでURLを入れてつぶやくという手もある。いずれにせよ、動画を活用したマーケティングで成功するには、外部のサイトをどう活かすか、そこを考慮に入れておく必要があるようだ。

アクセス解析同様に運営者の継続的な取り組みが成否の鍵に

 動画を商品訴求の目的で導入したことで、コンバージョン率を1.4%から8%近くにまで改善させた事例もあるが、一口にROIと言っても、サイトによって改善対象とする指標がコンバージョン率のみとは限らない。前述の外部サイトでの自社動画の広まり具合を評価するため、どんなサイトで掲載されてどの程度の流入が得られたのかと注視するケースもあれば、ECサイトで商品返品率の改善を図ってセッション当たりの動画再生数を増やして商品理解を高めようとするケースもあるかもしれない。

 音楽サイトやニュースサイトなどでは動画を載せることでサイト滞在時間が延び、1セッション当たり30秒だった滞在時間が1分30秒と3倍程度に伸びたという事例もある。ユーザーとの接触時間を増やすことで、目当てのアーティスト以外の楽曲をレコメンドする機会を増やす、バナーなどの広告に触れる時間を長くして広告価値を高める、といった目的で動画を利用しているサイトもある。

 Webサイトとアクセス解析の関係にも通じる話だが、サイトを作るだけ、動画を導入するだけでは意味がない。運営者としてWebサイトで実現したい目的を達成するために動画を活用するのだという視点を忘れてはいけない。

 「動画は既存のWebサイトの解析とは違うので、新しいメトリクスが必要なのは間違いありません。物を売る、滞在時間を増やす、企業によって目的は違ってくるでしょう。ですが、通常のWebマーケティングと同じように、滞在時間を長くする、コンバージョン率をよくするといったビジネスに結び付く成果を上げられるように考えていくべきでしょう」

 いくつか動画のパフォーマンスを改善する策を紹介してきたが、全サイトに共通する正解が存在しないこともアクセス解析と通じる話だろう。Webサイトのアクセス解析と同様に、成果を上げていくためには、動画のパフォーマンスを正しく把握できるツールを導入したうえで、Web担当者が労を惜しまずPDCAサイクルを回していく必要がありそうだ。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2010/06/28 10:52 https://markezine.jp/article/detail/10103

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