もっと多くのブロガーに参加してもらいたい
四家
じゃあ、徳力さんが頑張って、アジャイル参加ブログもこれから増えていくわけですね。
徳力
そうしないといけないですね。僕の目下の仕事が参加ブログを増やすことです。当然ブロガーによってはあからさまな広告を貼りたくないとか、別にお金に困ってないから広告には興味ないとか、そういう人もいるので、今は
AMN自体の趣旨を理解してもらいながら、協力をお願いしているところです。趣旨からご説明しているからこそ、あれだけ濃いブロガーの方々が協力してくれているんだと思います。
四家
やはりある程度のスケールを押さえないと、広告主も媒体として使いにくいので、もっと参加ブログ増えて欲しいですね。
徳力
そうですね、ばっさり言ってしまうといまのAMNのメインはブログを広告媒体として扱うメディア事業ですから、ブログの数や質が命になります。
2007年2月22日に東京都千代田区丸ノ内の三菱ビルにて催された「AMN」設立記者発表会
左からAMN代表取締役・坂和敏氏、取締役の御手洗大祐氏、織田浩一氏、竹田茂氏
四家
一方で、広告主も今までと立場を変えて、ただ広告を出すのではなく、何か新しい形を作っていきたいです。出稿すると言うより、参加してもらうと言えばいいのか。この辺は僕自身も考えないといけない課題なんですが。
徳力
そうですね、AMNのもうひとつの存在意義は、広告主に対するブログの広告媒体としての価値の啓蒙とか提案にあると思います。各ブログのサイドバーの部分に広告主のブログのRSSを拾ってリンクテキストを表示する「ブログオンブログ広告」などは、まさにブロガーと議論する中で生まれてきた新しい広告のスタイルです。他にもビジネスブログの運営自体をブロガーがアドバイスしたりとか、新しい試みをいろいろとやっていく必要があると思います。
四家
経験豊富なブロガーの知恵が企業のブログ運営に生かされるわけですね。
徳力
まだまだビジネスブログをただのパンフレットとして運営している企業も多いので、ブログスフィアにおける「会話」に参加するというのはどういうことなのかを、ぜひ企業担当者の人にも理解してもらえるように持っていきたいです。ビジネスブログを書いているような人たちもブロガーとして、ブログの会話に参加してもらえるようになると、これはこれで面白いと思います。
四家
マス媒体や今までのネット広告では見えてこない地平が見えてきますよね。
徳力
AMNを広告代理店として見ると、ビジネス的にはほとんどWeb1.0的だし、ある意味つまらないのですが、AMNをブロガーによるブロガーのための会社という立ち位置でみると、実はやれること、やらなきゃいけないことというのは凄いたくさんあるように思います。でも、これって結局AMN単独でできることではないので、もっと多くのブロガーの人たちに参加してもらって、皆でつくっていくものだと思います。
四家
参加ブログは増やさないといけない。ただ、ビジネスとしては段階踏まないとなかなかうまくいかないので、とりあえず12のブログからスタートしたわけですよね。今、手ごたえはいかがですか?
徳力
2月に設立されたばかりの会社としては上々のスタートだと思います。現在の日本のネット広告の平均で考えると、かなり単価的にはプレミアム価格での提供になりますけど、すでに広告もいくつか決まっていますし、価値を理解してくれる企業の宣伝担当の方や広告代理店の方が多数いるというのは、今回手伝っていてあらためて再認識したところですね。
四家
それは良かった。
徳力
また、今はどうしても広告媒体という意味で、ページビュー月間5万みたいな敷居があるんですが、今後は、ページビューは少ないけれども、質の良いブログを見つけたり、そういうブログを運営してみたいブロガーの方やライターの方を発掘していくことが重要だと思っています。
四家
いいですね。やるこはと多いけど、「やりたいことの中でやることが多い」というのは幸せなことですよね。