2つのサイトマップ
一般的に「サイトマップ」というと、各サイトが用意しているサイト内ガイドマップのことだろう。便宜的にこれを「Web版サイトマップ」と呼ぶ。一方、これに対して検索エンジンのロボットだけが読み込むサイトマップが、最近登場している。sitemaps.orgが標準規格化したものである。一般的なサイトマップ「Web版サイトマップ」のほとんどがHTML形式であるのに対して、こちらは必ずXML形式で書かれるので、「XML版サイトマップ」と呼ぶことにする。
さて本稿のテーマ『SEOとしてのサイトマップ攻略術』は、前・後編に分けてお届けする。まずWeb版サイトマップがなぜ必要なのか、SEOとしてはどのような効果が期待できるのかについて進めていく。また次に、XML版サイトマップの簡単な解説、作成と最低限の設定の方法などを解説する。これが前編の内容だ。
続いて後編は、XML版サイトマップのSEO効果がさらに高まるように、GoogleとYahoo!のツールを活用する方法を提示したい。ツールとは、「Google Webマスター ツール」と「Yahoo! Site Explorer」である。
Web版サイトマップの必要性 ~ GoogleとYahoo! のヘルプから
では、まずGoogleとYahoo!の両ヘルプからサイトマップの重要性を検証してみよう。
・Googleのウェブマスター向けヘルプ センター 「Google のWebマスター向けのガイドラインはどのようなものですか。」
概要:サイトの主要なページへのリンクを記載したサイトマップを用意する。サイトマップ内にリンクが、100以上ある場合は、サイトマップを複数のページに分ける。
・Googleのウェブマスター向けヘルプ センター 「Googlebot がたどるリンクとはどのようなものですか。」
概要:Googlebot では、HREF タグおよび SRC タグのリンクをたどる。
・Yahoo! ヘルプ - サイト管理者向け 「新しいページを追加したり、ページを更新したときは」
概要:ロボットがサイトの全体を認識できるように、サイトマップなどを作ることをおすすめする。フレームページなどを作成するときに使用される「SRC」によって指定されたリンクは、ロボットによってたどれないため、データベースに登録されない。
両ヘルプのポイントは、サイトマップを作った方がいい、リンクは100まで、フレームのsrc内のリンク記述は不利である、ということだ。フレームは最近ほとんど見かけなくなったが、ユーザー利便性の点と検索エンジン対策から、やめておいた方が無難である。またナビゲーションなどでのリンクも100のうちであるから、メガサイトは注意した方がいいだろう。
Web版サイトマップのSEO効果
検索エンジンのロボットはリンクをたどって巡回している。よってサイトマップの設置によって、サイトマップに記載しているページへのロボット巡回を促すことが期待できる。なお、筆者ライオン丸が運営しているSEO塾では、検索エンジン対策を4つの条件に区分しているが、今回のサイトマップは主に下記の「①ロボットの巡回」に相当する。つまり、それ以外のSEO効果はあまり期待しない方がいいということである。
さてダメ押しするならば、サイトマップのページ自体もロボットに巡回され、かつ「②インデックスの追加」、つまり検索エンジンのデータベースに登録され、インデックスから削除されない必要がある。「①ロボット巡回」の条件はひとつでもリンクがロボットに見つけられることである。しかし「②インデックスの追加」の条件は2つ、3つとできるだけ多くのリンクがロボットの目に留まることが要求される。よって、サイトマップはサイト内の数多くのページからリンクを張られること、理想は全ページからのリンクである。
標準規格化された検索エンジン専用サイトマップ ~ sitemaps.org
詳しい経緯はともかく、Google、Yahoo!、そしてMSN (Liveサーチ) がサポートする汎用のサイトマップが標準化されているので見てみよう。