TCPAで再評価、その結果は?
さて、ここからロックオンが提供する広告効果測定ツール、アドエビスで測定したある広告主の広告実績データを、TCPAを用いて再評価してみました。まず、CPAで評価した際の実績データをご覧ください。

CPAでは予想通り、ミドルワードの効率が良いこと、それに対してバナー広告やビッグワードは効率が良くないことがわかります。この表に、TCPA評価を足してソートしたものが下の表です。

TCPAの評価になると、バナー1が広告全体の中で最も評価が高くなっていることがわかります。バナー広告がリスティングよりもかえって効率が良くなることがあるという、これまでには考えられなかった結果が導かれました。
一方、CPAの評価では効率が良いとされていたミドルワード4は、被アシストが多い故に評価が下がっています。
また中には、間接効果を考慮しても評価が高くならない、バナー広告もあります。バナー5は、広告表現や表示位置などの要因から、単独でコンバージョンに結びつける性格が強いため、評価があまり変化していません。以上の様にTCPAは、CPAでは無視されていた間接効果も含めて、広告を評価していることがわかります。この評価方法は、次の大きな3つの意味があると言えるでしょう。
直接効果+間接効果=トータルのコストが分かる
1つには、TCPAが直接効果と間接効果を一元尺度に落とし込んだ広告効果指標だということです。例えば、新製品のローンチ時には、効率が悪くてもある程度の量を取れる広告をプランニングするなど、コミュニケーション戦略に合わせて、効率と量のバランスを鑑みたプランニングができるようになります。
CPAだけではないコスト配分ができるようになる
2つ目は、態度変容に対し重みづけをおこなうことで、コスト配分の考え方が変わります。例えば、これまでには考えられなかったことですが、
- 認知系にコストをより多く配分した方が、獲得効率を上げられる
- CPAの高い広告Xは、実は全体効率を考えると必須の広告だ
などといったシミュレーション結果が導かれることもあります。
マス、PR、ソーシャルなど、さまざまな施策を一元的に評価する指針となる
3つ目は、TCPAはマス、PR、ソーシャルなど、これまで計測できていなかった実績データが計測できるようになったときに、これらを一元的に評価するためのベースの考え方になり得ます。まさに、コミュニケーション分析の為のプラットフォームとして機能するものです。
新指標TCPAに関しては、今後も研究を続けて行きます。また何か新たな発見があれば、発表させて頂きます。