「インターネットで保険を販売する」という革新的なビジネスモデルで、保険業界に旋風を巻き起こしているライフネット生命保険。ネット上に店舗を構える手前、アクセス解析ツール導入は必須であり、現状ではアドビ システムズのAdobe SiteCatalystを活用している。導入を決めたポイント、導入後の成果、今後の課題など広範な視点について、同社マーケティング部部長代行の堀江泰夫氏に話を聞いた。
13ツールを検証し、Adobe SiteCatalystを選択
子育て中の若い世代にも手の届く安くて信頼できる生命保険を提供したい、という熱い思いから、「ネットで生命保険を販売する」という革新的なビジネスモデルで2008年5月に開業したライフネット生命保険。ネット上で扱う商材が生命保険であることから、アクセス解析ツールの導入は必然だ。

そんな同社は、アクセス解析ツール導入にあたり、かなり念入りな検討を進めた。もともと同社の株主は、同じくネット上に店舗を持つマネックス証券を傘下に収めるマネックスグループであり、サイト解析そのものは同社創業時からの前提条件だった。
そのため、解析手法、解析するスタッフおよび体制を経営陣も含めて重視していた。サイトの作成1つにしても、どの企業に委託すれば同じようなプライオリティーとなり、どう解析できるのか、という視点で創業当初から見ていたという。
マネックス証券自身にヒヤリングに出向いたり、同業他社の手法を調査するなどして、合計13ツールを検証した結果、Adobe SiteCatalyst(以下、SiteCatalyst)を選定した。
「予算、機能という側面から見た際にSiteCatalystが当社のビジネスに1番最適でしたし、メジャーなツールだったため、制作会社との連携を考えた時に、外部フォローを得られやすいという点も選定ポイントとなりました。実際には、他のツールも用途に応じて併用する形にしています。また、リスティング業務に関してはシステムに頼った方が効率がよいと判断し、自動入札ツールのAdobe SearchCenter+も導入済みです。結果、自動管理が実現し、人的リソースの極大化に寄与しています。」(堀江氏/写真右)
分母が足りないと解析は活きず
さて、このように緻密な検証を背景にSiteCatalyst導入に至った同社だが、「それだけ練りに練って導入したわりには、課題が多かった」と堀江氏は導入当初を振り返る。最大のネックとなったのは「集客」だ。
解析比較しようにも、分母が足りないという課題が待ち受けていた。設立当初は外注リソース活用がほとんどだったため、予算と効果との兼ね合いがあり、試したいことも試せないジレンマがあった。そこで、訴求軸自体を変えながら、メッセージを大きく変えてみるなどの試行錯誤を繰り返していった。
しかし、次のフェーズでスピード感を出す必要があると判断。内製スタッフを整え、サイトと解析ツールを見ながら微修正を行うなどの一体チーム作りを推し進めた。そして、2009年2月にはマーケティング部15名弱の現体制が整った。この一定の最適なリソース配置が実現した時期と、分母となる流入(集客)が増えてきた時期が一致。会社の成長と人材の採用スピードのバランスが保てたことも奏功した。
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高澤 里美(タカサワ サトミ)
外資系IT調査会社での調査・分析、半導体産業新聞記者などIT関連分野で幅広く十数年の経験を積んだ後、フリーライターとして始動。IT分野を中心に、各種執筆活動を継続中。最近では、各種記事・原稿執筆に加え、IT関連企業各社のプレスリリース、ニュースレター、広報誌なども手掛ける。
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