【前提の確認】間接効果はそもそも考慮すべきなのか?
そもそも、ユーザーは購入に至るまでに複数回訪問しているのだろうか? 扱う商材やビジネスモデルによって、検討・購買行動は変わるはずだ。ほとんどのユーザーが同一訪問内でコンバートしているサイトの場合、マルチタッチのアトリビューションを気にする必要がない。
そこで、まずは『初回訪問から初回購入までの期間』を調べることにした。SiteCatalystの場合、Eコマース向けの実装をしていれば、[顧客保持率]>[販売サイクル]>[初回購入までの日数]、の標準レポートで初回訪問から初回購入までの日数を調べることができる。
![【図4】SiteCatalystで[顧客保持率]>[販売サイクル]>[初回購入までの日数]で表示したレポート(をエクセルで加工)](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/12412/12412_04.gif)
このサイトの場合、購入者の56%は同日中に、77%は7日以内に、82%は14日以内に購入に至っていることが分かる。
【実装】訪問ごとの流入チャネルを蓄積し、訪問回数・購入回数・注文金額の関係を探る
初めて訪問した日のうちに購入に至るのは56%のみ、と分かったが、日数と訪問回数は異なる。同じ日に3回サイトを訪問することもあれば、2週間で2回しか訪問しない場合もある。また、前述のように商品の金額による検討期間の違いも確認しておきたい。
そこで、『訪問回数と購入回数、注文金額の関係』を確かめるため、流入チャネルを訪問ごとに蓄積していくカスタム変数を実装することにした。前ページ【図1】のように、一人の訪問者が3種類の異なるチャネルで訪問してから購入に至った場合、次のようなデータが得られる。
初回にAチャネルに、次にBチャネル、最後にCチャネルに接触してコンバートした場合の
データの蓄積のされ方

このレポートは生データであって、このままでは意味を読み取ることが難しい。そこで、自動でエクセルにデータを流し込むことができるSiteCatalystのReport Builder(※注1)を使って、データを1クリックで更新できるようにした。このデータを参照し、他のシート上のレポートやグラフにも反映されるよう、関数を工夫してみた。
このデータを基に抽出・加工し、各種のレポートを作成しながら分析を進めていく。
Site Catalystの場合、Excel Clientでも同様のことが実現可能。Google Analyticsの場合は、Excellent Analyticsというエクセル用アドオンが使える。
【分析1】注文金額によって検討期間に差はあるのか?

これは、横軸を購入に至るまでの訪問回数、縦軸を1回当たりの購入金額として、各注文をマッピングした結果だ。購入金額の低い注文でも複数回訪問してから購入する人がいる一方、購入金額が高い注文は5回前後の訪問で注文に至っていることが分かる。