多様なソーシャルメディアと自社メディアを多面的に活用していく時代
2009年のOmniture Summitでは、TwitterのAPIをコールして特定キーワードのメンション数を取得し、SiteCatalystで計測するためのシンプルなPHPプログラムが公開された(参考記事)。
筆者もそれを改変してTwiTraqのようなレポートを可能にしたものだ(参考記事)。あの状態から企画・設計・開発を進め、メジャークライアントを巻き込みながらアルファ版をデモできる状態にこぎつけたのだろう。2年間、一緒に成長してきたような親近感を覚えた。単純なメンションのトレンドだけでなく、トラフィックやコンバージョンと比較する機能を追加したのがユニークで、正しい方向性のように思える。
もう一つ印象的だったのが、ソーシャルメディア(映画の影響か、ソーシャルネットワークと呼ぶことが今年は多かったようだ)が、YouTubeやDailymotionなどの動画系、Delicious、Digg、Google Buzz、Tumblr、などと多様化している点だ。特にFacebookは、必ずTwitterよりも先に言及・記述される。
FacebookとTwitterの違いについては、ExactTargetのキーノートで参考になるスライドがあったので、最後に紹介しておきたい。
    Facebookは、Twitterよりもつながることができる。
単純なフォローという形ではなく、実名ベースで相手の許可を得つつ、双方向でつながる。また、自己表現や発見が可能だ、と紹介されていた。
Twitterはクライアント側で画像にも対応するが、Facebookではもともとリンクや画像、動画などのフォーマットをサポートしていて、140文字の制限もないため、確かに表現力がある。
エンターテイメントとはソーシャルゲームのアプリのことだろう。
最後の「コントロール」がしやすい、というのは、広告を細かくターゲティングできたり、ファンやユーザーの属性を細かく分析することができる、ということだろう。ビジネスでの利用にとっては重要だ。
一方、Twitterはフォロワーが多かったり、何度もRTされると大きな影響力を発揮することにつながる。マルチデバイスでアクセスしやすく、単純なのでVersatile、つまりいろいろな用途で活用できることが特徴だ。
最近は日本でも、TwitterよりFacebookの方が注目が集まりだしたが、それぞれコミュニケーションの方法が異なるので、どちらが良いという単純な話ではないのかもしれない。
違いを意識しつつ、多様なソーシャルネットワークと自社メディアを多面的に活用していく時代だからこそ、統合的な解析のツールが必要になるのだろう。日本での発売は未定、ということだが、機会あればベータテストに参加し、日本からの要望も反映させていきたい。
