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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

RollingStonesライブで確信!結果、10年続くビジネスモデルになりました


毎日毎日、事業計画書を書く日々

古株
ということで、奥田さんのブルドーザーのような交渉から話がまとまり、会社ができそうになったので、Novellをやめてトランスコスモスに来いということで、1997年2月にトランスコスモスにJ-Stream設立要員として入社しました。
四家
なるほどー。
古株
入社当初はラジオ体操があってびっくりして。
四家
えー! それはびっくり。
古株
でも、真剣にラジオ体操やってたら、けっこう体がすっきりすることを発見し
四家
なるほど。やってみるもんですね。
古株
物凄く真剣にやってると、女の子に、すごいですねーと言われて照れてた。
四家
あははは。なんかそのあたり、まずはとりあえず、ちゃんとやってみるところが古株さんらしいのかもしれませんね。
古株
で、当時のトランスコスモスはこのJ-StreamとPointCastとダブルクリックの設立がパラレルで進んでいて
四家
よーく覚えております。その二社とは一緒にお仕事させていただきました。
古株
わたしはJ-Stream要員なので、毎日事業計画書書いてました。書いてたマシンは、自分のSOTECのNoteWinBookとか、ねずみ色のやつ。Akiaのに似てるのよ。
四家
使っているマシンが折々の時代を映していますね。RealAudio3.0くらいですかね、そのころ。けっこう音質もFMラジオぐらいになって安定してきました。そして動画へと。
古株
そうそう、1997年2月はRealVideo1.0の発表会が、なんとベルファーレでありました。当時のProgressiveNetworksの代表はジェームズ比嘉さん
四家
のちのiTuneの仕掛け人ですね。そのパーティは行けなかったけどよく覚えています。
古株
で、あーだこーだと、NTTとKDDとProgressiveNetworksとやりながら、5月29日に設立しました。ビジネスモデルは、RealフォーマットによるLive動画配信サービス提供会社です。当時、一番大きなRealVideoサーバは、同時400ストリームだったんです。それをSunのSPARKマシンにインストールして東京、大阪、横浜、とかにおいていきました。
四家
当時としてはすごいことですよね。
古株
だって、NSPIXP2のキャパは、100Mでしたからね。
四家
うわーでもそうでしたよね。たしかに。
古株
1.5MbpsのT1は月100万円でしたし。 
四家
インターネットマガジンの最後にプロバイダーマップがついていた時代。こことここはT1で繋がっています、とか。いまではご家庭に100M。
古株
場合によってはGigaだし。
四家
ネット機材はほんと何でもかんでも最初高くて、どんどん安くなっていきましたね。
古株
当時はトラフィックが、いまほど東京一極にはならないのでは、と思ってたので、株主のNTT-PCのWebArenaとKDDにラック借りて置いていきました。
四家
なるほど。

新サービスは誰かに使ってもらわないと話にならん

古株
で、帯域の問題は、とにかくぶっといセン持ってるところにおいたから一件落着。で、ラックをいろんなところに置いたのは良いけど、 Streamingを見るとき、絶対必要なのはWebサーバで、とにかくWebサイト上の「動画を見る」ってボタンを押してもらわないと、 Streamigサーバは何もしないし。
四家
はい。
古株
で、次の問題は、その「動画を見る」ボタンを、みんながバシバシ押したとき、どうするかということ。
四家
あ、そっちですか。
古株
だって、J-Streamの最初はLIVE配信しかやってないんだもん。動画を見るは、LIVEなわけで。オン・デマンドやるのは、ずっとあとなの。ちなみに配信するコンテンツは、通常が20kbps(28.8K対応)40kbpsの広帯域版(ISDN)対応の2つ、か20kbpsのみ。
四家
アナログモデムか、ISDNかですね。あ、そうか。じゃあ、どこまで行っても同時接続で、みんながボタンをバシバシおしますよね。
古株
そうそう。だからまず、Webサーバに不可分散してあげないと、親元のWebサーバが死ぬ。
四家
ああ、そうか。Webが先に死んじゃうわけですね。
古株
そう、Webが先に死ぬ、こうなるとRealサーバは仕事がなくなるの。で、Webサーバが生きてると、次にStreamサーバに来るんだけど、この場合は分散しておいてあるRealサーバのどいつに、仕事をさせるかという問題があって。
四家
注文取次ぎみたいなもんですね。うまく取り次いで、どのRealサーバにお願いするかまた迷うと。
古株
そうなんです。電話取りの人が風邪で休むと注文受けられないみたいなの。
四家
あはは。よくわかります。ただ見るほうはそんなことわかんないですから、バシバシ押すし。
古株
というわけで、Realサーバのリダイレクト&不可分散は大変でした。で、この辺を、あーだこーだといいながらチューニングしていくわけですが。とにかくラック借りてるし、サーバとライセンス買っちゃったから、お金は毎月どんどん出て行くわけです。固定費として。
四家
そこがネット商売のつらいところ。特にストリームとなるとサーバがバカ高い。当時は。
古株
そうそう、サーバはSunだし。お勉強させていただきましたよ。で、ようやくネットワークができてきて、インプレスとかに使ってくれとか話に行きました。
四家
対応したのは、たぶんTさんかな。
古株
そう。Tさんが出てきて「StreamingのASPなんて作ったのか、オレは敬意を表するよ」って馬鹿にされたし。IIJ行ったら、これからはマルチキャストじゃないと、と吉村伸先生に言われたり。
四家
なんか、1人1人の顔が浮かぶ(笑)。
古株
とにかく、インフラが何とか動くようになったから、だれかに使ってもらわないと話にならん、ということで、タレント事務所などに営業しに行きました。有名人ネットコンサートとかどうですかって。
四家
LIVEですからね。
古株
そうそう。当時、著作権、って言葉は知ってたけど、そんなに実は詳しくなくて。とにかく有名人に使ってもらって、知名度上げて、パソコンでこんなことができたら、仕事で使ってみよう、って人が現れるのを待つ、という戦略だった。とにかく、目立つ!というのをやろうと思ってた。
四家
なるほど。体験できないとわかんないですからね。

RollingStonesライブから、動画配信サービスの未来を確信した古株氏。Vol.2では、上場までの成長の軌跡が語られます。キーワードは「バケツ」と「シャベル」!Vol.2はこちらへ!

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/07/05 11:32 https://markezine.jp/article/detail/1360

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