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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

Joost ニコニコ動画 TVCM崩壊…徹底的ユーザ視点で変化を見抜け!


『テレビCM崩壊』って騒ぎすぎじゃない?

古株
DVDに入ってるMPEG2そのものを見せるようにならないとダメだと思う。でもこれは将来はともかく、今はまだ著作権で食ってる人たちから総スカンを食うので、これから動き出しそうなのは…今年あたりから、ハードディスクトランスポートが流行るんじゃないかと思ってる。
四家
ん、それはどんなものですか。
古株
映像の前に音楽ってこと。16bit44.1KHzのリニアPCMのCD音源をそのまま吐き出す。自分のCDをHDDにCDのそのままのよい音でコピーして、再生する機械がSONYから先月発売されました。
四家
CDクオリティそのまんまHDDに入れると。圧縮なしで。
古株
そうそう。CDそのまま。だって、CD一枚700MBぐらいでしょ。100枚で、70GBですよ。
四家
別に問題ないですよね、HDD安いんだから圧縮しなくても。そもそも100枚CD持っている人って実はそんなに多くないんじゃないか。
古株
そうそう。だから、CDそのままをHDDに入れても、実はそんなに容量の心配がない状態になってきたわけです。だからステレオのCDプレイヤーが、まずPCに置き換わるのが、先じゃないかな。映像は、その後じゃないかと思ってます。
四家
なるほど。iPodやポッドキャスティングがいい例だけど、先に動き出すのは音のほうなんですよね。
古株
そう。なんかみんなすぐに映像って言うんですけどね。
四家
あとCDっていう普及したメディアでクォリティ上げて楽しむのはみんな歓迎ですよね。
古株
そうそう。160KのMP3よりWAVファイルだと全然音いいですよ。
四家
わかります。MP3って平板な感じがします。
古株
SACDはコピープロテクトが厳しいだけだからあんまり普及してないし。DVDオーディオもね。SACDはリニアPCMじゃなくて DSDってやつで、DVDオーディオはリニアPCMなんだけど両方ともデジタルだから。MP3のファイルやCDのWAVファイルが入ってるHDDに同時に入れることはデジタルデータとしては可能なわけです。ただSACDはリッピングできないけどね。
四家
これってこの対談のいちばん最初に出てきた話ですね。そもそも何でも入るからPCは面白い。
古株
だから、音楽のHDDトランスポートっていう、ステレオにつながる新しいPCベースの機器がはやるのかなぁ、と思っている。これが、うまくいったら、つぎはDVDの映像が入ってるHDDトランスポート。当然、ネット経由でDVDそのものや、CDそのもののクオリティで買えるようになるはず。いまは、当然総すかん食うから、無理だけど。でも、SONYはえらいと思うよ、自分のCDをコピーしてください、って機械を作ったんだもん
四家
引き金を引いてますよね、SONYは。なんだかんだ言って、けっこうぎりぎりのところきますもん。ロケーションフリーTVとか。あれは、最初仰天しましたよ。自分の家のテレビをネット経由で外から見るなんて。
古株
そうなのよ、面白い会社です。
四家
ですね。いま思ったんですが、目立つものだけでなんか判断しちゃう人が多いですよね。『テレビCM崩壊』という本のタイトルだけみて、なんか騒ぐ人が多い。それに対して、古株さんのすごいところは、やっぱりちゃんと、ひとつひとつ使ってみて発見しちゃうところですね。
古株
ほめないでよ。でもね、この年寄りの意見だからね、これは。20歳ぐらいの人は、ひょっとして、MP3のクオリティでいいという人がいたら、すげー困るんだけどぉ。音響メーカーは全滅するな。鳴ってりゃいい、ってのは、あまりにも悲しい。
四家
今はそうなんだと思うんですよ。MP3が主流だから。けど例えば、最近買ったテレビで、昔VHSで録画したテープを見ると、つらくてしょうがない。僕は決して映像マニアじゃないのに。つらい、もう全部捨てようかと。
古株
でしょ。YouTubeで取り忘れたチャングム見ても、やっぱりテレビのほうがいいでしょ。綺麗だし。これは音楽にも当てはまるだろうなぁ、とわたしは思ってるのですが。
四家
圧縮された質の悪いコンテンツってトリガーじゃないかと思うんですよ。お試しっていうか。去年大ブームになった『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメの事例を見ても、YouTubeってブームのトリガーですから。DVD売れてるし。より高い画質にお金払うためのトリガーがYouTube。
古株
そのコメントは嬉しいです。でも、音楽はどうなんだろうねぇ…とは思う。
四家
わかんないですけど、とりあえず映像のことを考えるときは「まず音を見ておけ」というのは卓見ではないかと。
古株
SACDとか24bit96Khzの高音質は、高音質過ぎて関心ないんだけど、やはりわたしは「音を見ておけ」だと思っていて、いまは一番普及してるCDの音をPCとしてどう取り込むかが、当面の第一フェースのように思ってます。映像の話はその後でね。

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/07/05 11:34 https://markezine.jp/article/detail/1365

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