アウンコンサルティングは、コムスコアが提供する3月度のネット視聴率データ、メディアメトリックス(アジアデータ)を集計し、アジア地域のSNSの利用動向をまとめた。
2011年3月時点で、韓国、香港、シンガポールでは全インターネット人口の90%以上がSNSを利用している。しかし、日本におけるSNSの利用は、インターネット人口の約半数。アジア主要地域と比較すると中国に次いで2番目に低い結果となった。
台湾、香港、シンガポールでは「Facebook」が最も幅広く利用されており、シンガポールでは全インターネット人口の約75%にアプローチしている。台湾ではYahoo!が保有するローカルSNS「無名小站(Yahoo!奇摩)」が最も普及していたが、昨年度末にFacebookが「無名小站」の来訪ユーザー数を抜き、首位となった。
一方で、日本、中国、韓国の3か国では独自のSNSがフェイスブックをおさえて首位となっている。日本では「mixi」、韓国では「Naver」がトップ。中国ではフェイスブックへのアクセスが禁止されているため、「Renren」をはじめとするローカルSNSが独占している。
今年1月にFacebookの創業者が主人公の映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開されたことも影響したのか、Facebookは中国以外の各地域で昨年から着実に利用者を増やしており、日本と韓国ではまだ2割を下回るものの、普及率(リーチ)を2倍以上伸ばしている。
こうしたフェイスブックの攻勢に対して、各国のローカルSNSは対抗策をとり始めている。mixiは、中国最大手Renren、韓国Cyworldと提携したほか、ドイツの大手SNS「Vznet」とも同様の提携を結び、ローカルSNSの連合が形成されつつある。一方、フェイスブックは今年の4月、同サイトへのアクセスが禁止されている中国への進出に向けて百度(Baidu)と共同で新たなSNSサイトを立ち上げるとのニュースが流れるなど、今後さらにアジア地域の攻略に力を入れることが想定される。
【関連記事】
・ミクシィ、ドイツ最大のSNSとプラットフォーム共通化で合意
・グリー、新興国で人気のSNS「mig33」の運営会社と提携
・使い方がわからないのはフェイスブックだけじゃなかった