「Facebookは時間を持て余すユーザーが利用」し、「体験を共有しやすいコンテンツが好まれる」
「Facebookは時間を持て余している時に利用される傾向があるようです。Facebookを使っていても、慣れないうちは何を見ていいのかが分からない。そんな時にタイムラインに友達が“いいね!”と言ったコンテンツが表示されると『あの人はこれを見ているのか。それなら見てみよう』というモチベーションが働くのではないでしょうか。検索とは意図が全然違います。検索と競合するのではなく、互換する形でトラフィックが稼げるのです」と須賀氏はFacebookの特性についてこのように説明している。
それとは別に、ソーシャルと動画の相性の良さについて、ハーバード大学のWeb担当者もカンファレンスで言及。企業が一方的に発信するコンテンツではなく、ユーザー間でコミュニケーションできるコンテンツ、例えばゲームや音楽、映画のトレーラーといった体験を共有しやすいコンテンツが好まれる傾向にあると分析した。
つまり、「Facebookは時間に余裕のあるユーザーが利用」し、「体験を共有しやすいコンテンツが好まれる」。ハーバード大学が“いいね!”ボタンを加えただけで50倍ものトラフィックを獲得できた背景について、そのような仮説が考えられるのではないだろうか。
なお、Facebookでは通常、タイムライン上にFlashコンテンツを読み込むことができない。だが、BrightcoveのプラットフォームはFacebookのホワイトリストに登録されているため、動画をFacebookのタイムライン上で読み込むことができる。
さらに動画プレーヤーのレイアウトも自由。イギリスの小売大手Marks & Spencerなどは動画に関連する製品をプレーヤーの右側に配置し、製品ページに直接飛べるように工夫している(参考:Marks & Spencer TV)
コンテンツを持っているだけでは広がらない。重要なのは種をまくこと
海外ではハーバード大学やMarks & Spencerのように、Facebook+動画でトラフィックの獲得や売上増につながる施策を実現している企業が現れ始めている。しかし、「日本でFacebookと動画を活用して成功した事例はまだない」と須賀氏。
アメリカの企業も恐れ知らずで新しいマーケティング施策に飛びついているわけではなく、もちろん炎上しないよう細心の注意を払っているという。動画以外にさまざまな取り組みにチャレンジしながら、モニタリングをして、問題が見つかったら修正する。当たり前の取り組みを着々と進めているのだとか。
「一番大切なのは、種まきをすること。自分が積極的にコンテンツの種をまいていかないと、コンテンツを持っているだけでは広がりません。広げようと試みることが大切なのではないでしょうか」(須賀氏)