ネット対応テレビのアメリカでの普及率が40%へ。オンライン動画をテレビを通じて見る時代に?
アメリカでの動画をめぐる動向として、もう1つ無視できないことがある。インターネットに接続できるテレビの出荷台数が伸びているのだ。
単に「買ったらたまたま機能が付いていた」という理由で伸びているという側面もあるが、アメリカではテレビとインターネットのサービスをケーブルテレビ会社経由でセットにして利用している家庭が多い。そんな背景もあり、NetflixやHuluなどのオンライン動画配信サービスも好調だ。
「来年の夏ごろには、アメリカ家庭の40%でインターネット接続対応のテレビが普及していると言われています。そうなった時には、『テレビで番組を見る』というよりも『コンピュータやiPad/iPhoneのアプリケーションを使う』という感覚で、アメリカの人はテレビを使うようになるかもしれません」と須賀氏。そうなればテレビは元々、動画を流すためのもの。Web用に用意していた動画もテレビを通じて見られるようになるのではないかと予見する。
そんな近未来像を見据え、Brightcoveは韓国のLGエレクトロニクスと提携。LGのスマートテレビにも同社のプラットフォームを介して動画配信できるようになると発表している。
「テレビでは高解像度の動画を見たいとユーザーは思うはず。その一方、スマートフォンで見る時は軽めの動画が好まれるでしょう。そうしたデバイスごとに動画を用意するとなると、大変な手間とコストが掛かります。それをBrightcoveのプラットフォームを使えば、オリジナルの動画ファイルをアップするだけで、視聴環境に応じて最適化して配信することができるのです」(須賀氏)
日本でもインターネット接続できるテレビが登場しているが、アメリカと違って日本ではテレビをネットにつなげる家庭は少ないのではないか、と須賀氏は見る。従ってアメリカほど劇的な変化は起きないかもしれないが、今後を考える上で「スマートテレビが普及するかもしれない」という情報は頭の片隅に置いておいた方がいいだろう。