ファンとの絆を深める東急ハンズの新しい取り組み
Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは実施していますか?
國分: 過去、バレンタインやクリスマスの時期に行ったことはありますが、最近は実施していません。店頭でステッカーをプレゼントする企画などは、各店舗の判断でやっています。全社的に店頭プロモーションに落とし込んでいくところまでには、至っていません。
緒方: キャンペーンとは少し異なりますが、iPhoneアプリの位置情報連動ソーシャルゲーム「MyTown」内で、自分の街に東急ハンズやハンズ ビーの外観をイメージした建物を建てられるような企画を行っています。今後は、店舗でチェックインした回数に応じて、東急ハンズやハンズ ビーオリジナルのデジタルインセンティブを提供するような取り組みも考えています。

Q. 今後の取り組みについて教えてください
緒方: リリース前なので詳しくはお伝えできませんが、Twitter連動型サービスの「コレカモネット」のFacebookアプリを作成しています。Twitterでは、検索窓に入力されたキーワードに対して、コレカモさんが商品をレコメンドしてくれるというシンプルな仕掛けなのですが、Facebookでは、商品レコメンドという主軸は持ちつつ、他にも面白い仕組みを追加しています。加えて、近々Facebookコマースにも取り組む予定です。
Q. 目標としているゴールはありますか?
緒方: 東急ハンズを愛してくれる人を一人でも多く作っていくことです。何かを買おうと思った時に「東急ハンズに行こう」と思っていただける、第一想起率をとにかく上げていきたい。また、その第一想起に適うだけのお店作りに励んでいきたいです。ですから、ゴールはありません。継続することが、ある意味でゴールだと考えています。
國分: ハンズを信頼していただけるよう、お客様とのコミュニケーションをしっかりと取る。これを実直に続けていきたいですね。その結果が、来店数増や売上増につながればもちろんうれしいですが、リアル店舗であれ、ネット上であれ、いかにお客様に「東急ハンズ」を楽しんでいただくかを常に考え、終わりのない目標として取り組んでいきたいです。

インタビューを終えて
東急ハンズのブランドコンセプトである「ここは、ヒント・マーケット」。“お客さまがハンズでヒントを見つけ、くらしを創りだし、そして私たちもお客さまから明日のハンズのヒントをもらっていく”という、ブランドコミュニケーションそのものがソーシャルメディアに最適なものになっています。
今回お話を伺って分かったことは、桁違いのファンを抱えているからといって、何か変わった裏技を使っているわけではないということ。ソーシャルメディアを通じて、その先にいるお客様と密接なコミュニケーションを図ろうとする姿勢は、ファンにとって企業を身近に感じるだけでなく、大切にされているという好感として伝わります。人気アカウントの裏側にあったもの、それは店頭で培われたコミュニケーション能力と、“お客様をもてなす気持ち”そのものでした。