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ゲーミフィケーション入門

ゲーミフィケーションの3つの事例
サムスン、コカ・コーラ、ベストマニアのサイト運営に学ぶ

ゲーミフィケーション要素

 ベストマニアでは、ユーザーの投稿を促進するためにゲーミフィケーションの手法を取り入れています。最もわかりやすいのはコンテンツの投稿時に「バッジ」が取得できるようにした点です。投稿数だけでなく、獲得した「ササった!」数に応じてもバッジが付与されるため、投稿者は投稿内容の質の向上にも目を向けるようになります。

 「ササった!」には3段階の重み付けがあり、コンテンツを見た人がより適切なフィードバックを返すことができるだけでなく、その合計値が大きくなりやすいという特徴があります。はじめてバッジを付与されたとき、投稿者は新鮮な驚きを感じるとともに、「他にもあるのかな?どうやったら手に入るんだろう?」という好奇心も湧いてきます。そんなときに他のユーザーのマイページを見ると、「こんなバッジがあるのか」という発見もあります。

 結果として1万人近いユーザーが5個以上のコンテンツを投稿し、1人あたり投稿数の平均は9.4個となっており、ユーザーが継続して投稿していることがわかります。

この事例からの学び

 ベストマニアでのゲーミフィケーションは、本記事執筆時点では投稿者を主体とするデザインとなっており、閲覧者にとってあまり手厚いシステムとはいえません。ユーザー投稿型のサイトでは、投稿者と閲覧者の2種類のユーザーに対して異なったゲーミフィケーション・デザインを施す必要があります。ただし、両方を同時に実践するのか、まず片方から活性化させるのかという点はコンテンツ育成上の戦略によります。

 一般には、ユーザー投稿型コンテンツのジレンマとして「コンテンツがたくさんあれば(さまざまなユーザー間での交流が生まれて)面白いのに」という“チキン‐エッグ問題”があります。それを解消するには、まず投稿を活性化させるのが有効ですが、ゲーミフィケーション・デザインを導入することで投稿を続ける動機を継続させることができます。この動機付けが持続している間に、閲覧者に対しても閲覧の動機付けを活性化させるゲーミフィケーション・デザインを導入できれば、チキン‐エッグ問題をうまく乗り越えることができます。「Foursquare」もこの発想でバッジを取り入れ、うまく課題を乗り越えています。

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【事例2】  コカ・コーラの自販機と友だちになれる「ハピクエ」

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この記事の著者

深田 浩嗣(フカダ コウジ)

15年にわたりモバイル領域でのデジタルマーケティングを提供しECを中心に200社以上のWebサイト立ち上げ・改善を実施。2014年、株式会社Sprocketを設立、Web接客手法でコンバージョンを最適化するツール「Sprocket(スプロケット)」を開発・販売する。短期的なCVRの向上にとどまらず、中長期的なLTVの向上を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/01/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/15001

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