ソーシャルメディアにとってスマートフォンが主戦場に
物延:リニューアルのタイミングで、スマートフォン上でFUKULOGをいかに使ってもらうかという施策をご一緒させていただきました。アプリに関してはFUKULOGさんとカヤックさんのコラボレーションで開発されましたが、ソーシャルメディアとしてスマートフォン対応に本腰を入れようと思った意図はどういった経緯だったのでしょうか。
鈴木:これからのソーシャルメディアの主戦場はスマートフォンになると考えているからです。事実、PV数の割合は当時PC、フィーチャーフォン、スマートフォンで、1:1:0.3といった割合になっていました。スマートフォンの比率は、リニューアル後どんどん大きくなってきています。
物延:比率としては、スマートフォンが占める割合が大きいですよね。今後、ソーシャルメディアの活用はスマートフォンが主体になる可能性も十分に考えられます。
鈴木:コーデ投稿に関しては、スマートフォンで撮影してそのまま投稿するのが一番楽ですよね。カメラで撮った後にPCへ移す手間と比べるとかなりスムーズです。
服のカラーコーディネート診断スマートフォンアプリ

物延:カヤックさんとのコラボレーションアプリは、服のカラーコーディネートの傾向を診断するカメラアプリ「FUKU-IRO診断」と「FUKU-IROリサーチ」が目玉のコンテンツになっています。膨大な服のデータから色の傾向を診断するというロジックがとても複雑だったと思うのですが、もっとも留意した点は何だったのでしょうか。
武田:膨大な服の色データから、判断ロジックを作るのはかなりの時間がかかりました。判定後の診断結果も、コーディネートの種類に応じてそれぞれ最適な分析結果を出すため、データベースをゼロから構築することが大変でした。
物延:人間が画像全体の中でバランスを補正して認識する色と、実際のピンポイントな色は全く異なっていることも多いにありますので、苦労した部分ですよね。人間の感覚に近づくようロジックをチューニングする工夫もしましたよね。
武田:そうですね。特に影の部分にはなるべくビビットなカラーを生かすように設定するというようなチューニングを行いました。
スマートフォンらしいインターフェースを追求
物延:このアプリを通じて、コーデ投稿をしやすいツールとして機能させることも役割としては重要なポイントとしてあったと思うのですが、インターフェース面で気を配った部分などはありますか。
武田:インターフェースでいうと、「直感的に使い方が分かる」ということを念頭に置いています。ヘルプやチュートリアルを見なくてもシンプルに直感的に操作できるということを注意して設計しました。
物延:直感的という意味では、スマートフォン自体が、iPhoneが特に顕著ですが、説明書を見ないで説明なしで理解できるデバイスですので、アプリを設計するときもスマートフォンらしい設計をする必要がありますよね。普段スマートフォンアプリやサイトを設計する中で、チュートリアルを見ずに理解させるインターフェースとしての常套手段はありますか?
武田:よくあるのが、事前に演出で次のアクションをチラ見せすることですね。ユーザーが自然の流れで利用する中で、タップするボタンなのか、どのような意味のあるシグナルなのかっていうことが分かるように作っています。情報設計ということでは、
アプリからコーデ投稿をするときにアプリをウェブと連携しているのですが、スムーズにページ遷移するように、ネイティブアプリとサイトのウェブアプリケーションの連携を意識しつつ、デザインに統一感を持たせるということを意識しました。ユーザーにここからはアプリとかここからはウェブに飛ぶというようなことを実感させないUIを目指しましたね。
物延:どこからがアプリでウェブなのか分からないように設計するということですね。
武田:そうですね。あと、コーデの色分析をいかにシンプルにするかということで、ユーザーに画像を塗りつぶしてもらうアクションを採用しました。一枚の画像の中から、診断するコーデ部分をいかに選択してもらうかに悩んでいて、そこで思いついたのがユーザーに指でコーデの診断部分を塗りつぶしてもらうというアクションでした。
物延:スマートフォンらしいインターフェースですよね。ドローイング系ではあたりまえですが、何かを選択するインターフェースとしては、もっと活用できる手法ですね。
