タイアップ番組を通して商材への親近感を醸成する
広告は大きく分けて2種類を展開している。まず、番組本編の前後にCMを挿入したり、PCやモバイルサイト上にバナー広告を掲出したりする一般的な広告。それから、番組自体に商材を関連させてタイアップ企画とする方法だ。前述のドラマ「サムズアップ!」はトヨタの中古車買取店、T-UPの協賛、また電報が物語のカギになるドラマ「電報日和」はNTT東日本が特別協力している。
「クライアントの商材をそのまま使う構成は、CMとはまた違った訴求ができます。ただ、視聴者が楽しく見られることは前提条件なので、番組の取るべき演出と商材の訴求表現を両立させることが大事だと思っています」。バラエティに比べ、ドラマのコンテンツは視聴者が参加しにくい部分はあるが、ストーリーの中で商材を使うことで視聴者の印象も深まるため、今まさに来年度に向けてさらに力を入れているところだという。
「見参楽」としての初年度の目標は、「大幅に黒字ではないが、達成した」とのこと。課金モデルではなく広告モデルで展開している事業のため、立ち上げから現在まで営業部が主導していることには一定の効果を得ているとしながらも、「今後の成長を考えると営業ではなく制作主導の方がいいかもしれませんし、状況を見ながら柔軟に対応したいと考えています」と奥津氏。
BSやCSへのコンテンツ移行を展開、連携の体制整う
無料で視聴できる見参楽が好調の一方で、2006年に開設した有料の動画配信サイト「フジテレビon Demand」も利用者数が増えてきている。こちらは地上波やBS・CS放送で放映したコンテンツの二次利用になるので、オリジナルコンテンツを扱う見参楽とは切り分けて展開している。
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「将来的には、見参楽で視聴数が多いコンテンツはアーカイブとしてOn Demandで取り扱ってもいいでしょうし、人気が高ければ地上波などに露出される機会もあると思います。すでにチャネル間の連携の仕組みは進みつつあり、実際にBSやCSにはコンテンツを展開している事例もあります。各セクションの協力体制の下で発信すれば、プロモーションも多角的にできます」