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消費者がオンライン・オフラインを行き来する時代 日本でO2Oを成功させるために必要な視点

日本のO2O成功事例は、オフラインでの成功事例を擬似的にオンラインでも利用

 今のところ、O2O=「Web会員にクーポン/ポイントを提供して来店を促す施策」と狭義に見る向きもある。クーポンと言えば、コンビニ大手のローソンが店頭端末「Loppi」を上手く活用しているが、本間氏は「ローソンの事例は『ソーシャルを使ったコミュニケーション』と捉えた方が良い」と考えているようだ。

 「ローソンは接客業ですから、オフラインの肌感覚があります。オフラインで上手く回っているオペレーションを疑似的にオンラインに持ち込むことで、O2Oを機能させられているのではないでしょうか。

 ただ、Web広告研究会に参加している企業の多くは、メーカーなどのBtoBtoC企業。どんな商品情報を渡せば喜んでもらえるのか、ということくらいしか消費者のことを分かっていません。消費者との接点を持っていないわけですから、割引クーポンは発行できないし、店頭イベントもできません。

 でも『ソーシャルを使ったコミュニケーション』という視点から考えれば、BtoBtoC企業でもソーシャルメディアを使えば消費者との接点を築けますし、店舗と関係のないイベントは開けるはず。そんな視点を取り入れてO2Oの施策を考えることで、消費者をもっとブランドにエンゲージメントさせることができるようになるかもしれません。

 O2Oで成功しているのは今のところ、以前からオフラインで消費者と良好な関係を築けている企業。オフラインで成功している手法をオンラインにシフトしただけだと理解しておくべきでしょう。これからO2Oに取り組む企業が成功するには、『ソーシャルを使ったコミュニケーション』という視点を持つことが必要なのです」

O2Oはエンゲージメント向上のための施策として考えるべき

 本間氏の主張には塚本氏も同意。O2Oを「販促キャンペーンのための一手法」として考えるのではなく、顧客エンゲージメントを高めるための手法として考えるべきだと訴えた。

 「日本ではソーシャルメディアを使った施策をキャンペーン起点で考えがちです。アメリカではソーシャルメディアをキャンペーン目的で使うのではなく関係強化のために使うのが主流です。

 日本ではO2Oもキャンペーン目的で考える企業が多くなってしまうかもしれませんが、エンゲージメントを高めるための施策として中長期的な視点で考えるべきでしょう。

 海外では“ソーシャルストラテジスト”という肩書きのポジションが誕生し、営業やマーケティング、カスタマーサポートなどの部署を組織横断的に動かしています。日本でもO2Oを成功させるためには、マーケティング上の1施策として考えるのではなく、組織横断的に考える必要があるのではないでしょうか」

資料ダウンロード

 O2Oの先進企業はどのような取り組みを行っているのだろうか。O2Oの 海外・国内の事例をまとめた資料をダウンロード(※リンクをクリックすると外部サイトへ遷移します)

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2012/08/23 12:21 https://markezine.jp/article/detail/15964

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