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MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

焼き鳥を焼きつつ、スマホから片手間でクーポン配信
O2O支援サービス「LINE@」始動


飲食店を経営する経営者のLINE@への印象

 この3種類のアカウントの中で、高い反響が予想されるのがローカルアカウントといえるが、実店舗ビジネスを行う経営者の目に、LINE@はどのように映っているのだろうか。東京・秋葉原で飲食店を2店舗運営する経営者に、LINE@の印象について聞いた。

 同店舗における現在の集客施策は、実店舗でブログ、Twitter、Facebookを運営、メールを使ったクーポン発行やお知らせの他に、ぐるなび、ホットペッパーなどの有料広告も実施している状況だという。

 「まず真っ先に、メルマガの代替になる可能性が高いという印象を持ちました。秋葉原という土地柄も影響しているかもしれませんが、うちのお店に来店されるお客様のほとんどはスマホ所有者です。スマホの場合、メールよりもアプリ経由でメッセージのやり取りすることが自分自身増えているので、メールアドレス向けに半額キャンペーンなどの告知を打っても、以前ほど響かなくなっていくのではという印象を持っていました。

 また、アプリの場合はプッシュ機能があるのでメッセージが届いたことが一目でわかると同時に、相手がメッセージを読んだかどうかも既読表示でわかりますよね。メールでは相手がメッセージに目を通したかどうかがわかりませんので、この点も利点の1つだと思います」(飲食店経営者)

スマホから片手間でクーポン配信できれば、それでよい

 さらに、同氏が挙げたLINE@のもう1つの利点がスマホだけで完結することが可能な点だ。LINE@の投稿用アカウントに自分のLINEIDを登録すると、スマートフォンからも投稿できるようになるため、別の作業をしつつスマホから片手間で配信設定を行うことが可能となる。

投稿用アカウントに自分のLINEIDを登録すると、スマートフォンからも投稿できる
投稿用アカウントに自分のLINEIDを登録すると、スマートフォンからも投稿できる

 「うちのような小規模なお店の場合、パソコンの前に座って作業する時間などほとんどありません。しかし、LINE@ではスマホで投稿作業が完結できるみたいなので、この点には大きなメリットを感じます。私の場合、営業時間中はほとんど焼き鳥を焼いているので、焼き鳥を焼きつつスマホを使って片手間でクーポンが送れるようになるのが理想ですね」(飲食店経営者)

 一方、「新規顧客の開拓にはつながりにくいのでは」という印象も持っている。結局は自分たちでアカウント開設の告知をしなくてはならないため、新規獲得のためというよりは既存顧客との関係強化に有効なのではと現時点では感じているようだ。

 「うちのお店だけに限らず、小さなお店の場合はお客様と店員の距離が近くなります。いわゆる常連さんとなっていただくためには、密なコミュニケーションを図り仲良くなることが必要条件となるのですが、メールでコミュニケーションを図る場合、そっけない表現になってしまいがちです。その点LINEは、絵文字や画像などを使うことで柔らかい表現ができるので、メールよりもフレンドリーな対応が可能だと思います。ただ、新規のお客様に来て頂くという点においては、他の手段の方を使った方がよいかなという印象を、現時点では持っています」(飲食店経営者)

 最後に利用してみたいと思うかと尋ねたところ「現在、1店舗あたりの売上が150万程度なのですが、テナント代、仕入れ、人件費などを考えると、販促にかけられる予算は売上に対して3%程度、多くても5%程度です。いまは月5万円かけて飲食店情報サイトに出稿しているのですが、そのサイト経由での来店が非常に少なくなっています。同業者の中では、『大手の飲食店サイトに出稿してもお客さんこないね』というのが正直、共通認識になりつつあります。それならば5万円を使って、LINE@を試してみてもよいのではと思っています」(飲食店経営者)と、胸の内を教えてくれた。

 さて、NHN JapanサイドはLINE@の提供を機に、総合的なO2Oプラットフォームをなる構想を持っている。具体的には「LINEマイレージ」のような形態のポイント制度を作り、LINE@の店舗間でのポイント利用を可能にしたいと考えているという。

 「申し込みサイトをオープンしたばかりですが、LINE@の店舗群を商店街に見立てて、LINE@を利用している店舗共通で使えるポイント、いわゆるLINEマイレージのような仕組みを導入できないかと検討しています。とはいえ、まだオープンしたばかりなのでLINE@の反応を見つつ、形にしていきたいと考えています」(出澤氏)。11月30日時点でLINEのユーザー数は世界8,000万人・国内3,600万人を突破し、その勢いに衰えはない。店舗送客支援の面でも起爆剤となれるのか。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/11 11:37 https://markezine.jp/article/detail/16853

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