多様化するデバイス、「テレビ」と「ネット」の関係
MZ:2月には、電通から毎年恒例の「日本の広告費」の発表があります。マス4媒体とネット広告費のシェアに毎年注目が集まるわけですが。
友澤:テレビは非常に可能性があるメディアですし、これから伸びるであろうタブレットの存在も大きい。PCの画面も大きくなり、解像度も高くなっていく。そうなると、単純に「テレビ」とか「PC」と言っている状況じゃなくなると思います。
MZ:多様化するデバイスへの対応は、Yahoo! JAPANにとっても大きな課題ということでしょうか。
友澤:ユーザーのデータをしっかりと守っていくこと、広告主に安全な広告事故のないサービスを提供するということが、この10何年かのテーマであり、そこはしっかり対応できるようになりました。PCの中ではすごくうまくいっていると思います。

しかし、スマートフォンとなるともう一度ゼロから考え直さないといけない。これは広告主企業と一緒なんです。そのなかでYahoo! JAPANだけで何かをやるというのはおそらく難しい。グーグルとは世間からは競合と見られているかもしれませんが、連携していただける企業とは可能な限り連携していきたいですね。
MZ:テレビか、ネットか、広告費の使い方について迷っている企業もあると思います。そうした状況についてはどう受け止めていますか。
友澤:本当は「デジタル広告」という言葉がよくないと思います。日本では「デジタル」ということで断絶がありますが、米国ではデジタルもマスもテレビもひとつの手段。だから、ちゃんと手段を理解して、正しいものを自分の目的に合わせて使いましょうという考え方なんです。メディアと使い方、予算も目的によって分けていて、それによってKPIが違います。
Yahoo! JAPANにフィットしたゴールがあれば、テレビにフィットしたゴールもある。そこにマッチしたクリエイティブもある。それらをどう組み合わせていけば成功するのかは、自分たちでやらないとなかなかうまくいきません。商品の幅を広げて、広告会社とも連携して一緒にやっていくことで、日本の広告のレベルを上げていきたいなと思っています。