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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「オウンドメディアとソーシャルメディアの垣根がなくなりつつあると感じる」 ソーシャルとの連携を模索する、キリンビールのオウンドメディア戦略

ソーシャルメディアとオウンドメディアの垣根がなくなりつつある

 —— ソーシャルメディア内でのコミュニケーションにおいても、オウンドメディア同様に商品軸でのコミュニケーションが増えてきているように感じます。

松矢順一氏
聞き手:松矢順一氏

 全体的な傾向を見ると確かにそのように感じます。他社のソーシャルメディアを見ても商品情報の発信が多く、非常にオウンドメディアに近しい場所になってきている印象があります。ソーシャルメディアのオウンドメディア的利用の背景には、お客さまがその情報を求めているからという点が大きいのではないでしょうか。

 ソーシャルメディアでのコミュニケーションセオリーも時代とともに変化するはずなので、私たちとしては定義にとらわれずお客さまのニーズを肌で感じながら、コミュニケーション方法を微修正していこと考えております。

 —— 定義にとらわれすぎることなく柔軟にコミュニケーションをとっていくことが大切ということですね。

 そのとおりですね。ただ、ソーシャルメディアには多数のお客さまがいらっしゃいますので、企業としてお邪魔させていただくという感覚を持つことがまず大切だと考えています。

 最近の傾向ですとソーシャルメディア内のお客さまは、企業が発信している情報であることを理解しているため、商品情報や企業情報が届いても、コメント、シェア、いいね!などのアクションを起こすケースが増えていると感じます。そういった傾向を見て、オウンドメディアとの差がなくなってきているのではという感覚を持ちはじめました。

 今後、ソーシャルメディア内で企業やブランド情報を閲覧するユーザーが増えれば、ソーシャルメディアは企業・ブランドサイトをよりフランクにした場という位置づけになっていくのかもしれません。

 —— ソーシャルメディアを活用するにあたっての指標は、どのように考えていらっしゃいますか?

 ソーシャルメディア活用の目的はオウンドメディアへの送客だけでなく、ソーシャルメディアを通してお客さまとエンゲージメントをはかること、つまりお客さまとの距離を縮めることだと思っています。

 キリンビールに対して興味をお持ちのお客さまの中で、より多くの情報が知りたいという方は能動的に私どものオウンドメディアへ訪問する可能性が高いでしょう。しかし、商品や企業に興味があるものの自らオウンドメディアを訪問する行動を起こせない方々もたくさんいらっしゃいます。そういった方々とコミュニケーションを取る場のひとつとして、積極的にソーシャルメディアを活用したいと考えております。

伝えるのではなく伝わることが大切

 —— 情報が氾濫しメールなどでのプッシュしても情報が届きずらい時代になったと言われています。ソーシャルメディアをその代替ととらえていますか。

 これまでと同じやり方のコミュニケーションだけでは、コミュニケーションロスが多い、つまり伝えたいターゲットに情報が届いていない状況に陥ることがわかってきました。それならば、ターゲットとするお客さまが存在する場所で、手法や役割を考えてコミュニケーションをはかる施策が重要になるのではないかと考えております。

 どのやり方にも正解はなく、他社で成功していることが自社にも当てはまるとは限りません。自分たちでお客さまとの対話を経験し、知見をためキリンビール流のやり方を確立することが大切だと考えています。そのためには、コミュニケーション設計とシナリオ作りが非常に大切です。キャンペーン、日々の投稿、対話の質、それぞれのクオリティを高め、お客さまに喜んでいただくためのやり方を日々模索している状況です。

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テクノロジー活用を語る前に何を実現したいのかはっきりさせる

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/01/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17015

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