DMP活用とリターゲティングの関係
さて、ここまでは媒体社視点でのDMP活用の流れについて説明してきました。今度は広告主のサイトで使うDMPについて解説していきましょう。
サイト来訪者をターゲティングして、外部メディアで広告を出すことをリターゲティングやリマーケティングと呼びますが、DMPを使うことでそのターゲティング対象をより柔軟に管理することができるようになります。
例えばECサイトを例に挙げると、購買に至るまでにはTOPページ、商品詳細ページ、カートに商品を入れた、購入、というステップがあります。これらを段階別にセグメント化し、ターゲティング対象を分けることでより細かく、精度の高いターゲティングが可能となります。もちろん対象によって必要な情報が異なるため、対象毎に出す広告も使い分ける方が効果的です。

上の図の例では「TOP訪問ユーザー」「商品閲覧ユーザー」「カートインユーザー」の3つのセグメントを作っています。例えば、「カートインユーザー」のセグメントで、カートに商品を入れたまま、まだ購入していないという状態であれば、この3つのセグメントの中では最も商品を購入する確率が高いユーザーと言えるでしょう。そこで、カートインしているユーザーに対して「3日以内に購入すると500円引きクーポン」を配信するなど、購買までの一押しをして、より効果的に広告訴求を行うこともできるでしょう。
一方「TOP訪問ユーザー」というのはまだサイトに1度、そして数秒だけ滞在したユーザーも含まれますので購買の確率は低いと思われます。今回の例では「商品閲覧ユーザー」は何の商品を見ても「商品閲覧ユーザー」セグメントに含まれるようになっていますが、実際にはその商品の持つカテゴリー毎(「ファッション」「スポーツ」「アウトドア」「車」等)にセグメントを作成し、広告配信に活用するのが効果的でしょう。
ますます拡がる、アドテクノロジーの可能性
これまで3回の連載はいかがでしたか?広告主さん、もしくは代理店さんの中のマーケターの皆さんがアドテクノロジーのこれからの可能性を感じて頂ければ僕としてはとても嬉しく思います。ぜひこの領域を一緒に盛り上げて行きましょう。
特に今回の記事で解説したDMPは広告配信に限らず、企業のマーケティング活動に関してとても重要な役割を担っていきますので、今後も定義の明確化や各社の取り組み・活用法等が多数公開されていくことで業界全体での活用がさらに盛り上がってくると思います。
では、次回よりATARAの杉原さんにバトンタッチします。引き続き連載をお楽しみ下さい!