缶コーヒーのサンプルプロットの解釈
横軸第1主成分は、「総合力」を表していました。
と評価できます。
縦軸第2主成分は、「香り―酸味」を表していました。UCCBは、総合評価は高くはないが、「香り」に特色があり高く評価されていることが分かりました。
店舗エリアマネージャーは、缶コーヒーの陳列棚に、消費者が自分の好みの缶コーヒーが選びやすくなるように、
- 「とりあえず迷ったらこれ!」サンタマルタ……総合的な人気商品
- 「香りにこだわる人にはこれ!」UCCB……香りに特化した個性で訴求
とプライスカードの横にチラシをつけて販売することにしました。
連載まとめ(今回が最終回です)
13回にわたり、ビジネス統計の解説を行って来ましたが、少しはお役に立てたでしょうか。多変量解析には、今回の主成分分析以外にも、隠れた潜在的な変数を探し出す因子分析、より適切な分類を目的としたクラスター分析やコレスポンデンス分析などたくさんの手法があります。これを機会にデータ解析に興味を持たれましたらぜひいろいろな専門書を手にとってとにかくより多くの問題を解いてみてください。
統計学というと、どうしても敷居が高いイメージがあります。もちろん、研究しだしたら奥の深い世界ではあるのですが、本連載はビジネスの第一線で問題解決に日々チャレンジされている方をより想定しています。専門の高価な統計ソフトを使用しなくても、普段使い慣れているExcelでかなり高度な分析も可能です。
また、Excelを使ったデータ分析のオペレーションを解説している資料もたくさんありますが、できればExcelの統計関数を用いて答えを出す前に、じっくり仕組みを考えて、考え方を理解されてから統計関数を使われることをお勧めします。分析のための分析にならないよう、常にこの分析結果をどうアクションにつなげるかを意識しながらデータ解析を行ってください。