検索ワードは点でなく、線で押さえることが重要
次のマーケティングの視点からの解説では、何より、その人の意思(intent)を正確に捉えることが必要として、ユーザーがintentを持つ瞬間に、関連広告を表示するため“キーワード”“検索履歴”“行動履歴”などのデータを使うことが大切と指摘した。
例えば、PCを欲しいと思った場合、色々と検討して購入に至るが、その過程ではオンライン/オフラインのさまざまな環境(テレビCM、雑誌広告や記事、比較サイト、ブログなど)が影響する。そのたびに違ったキーワード(例:ノートPC、持ち運び、ブルーレイ対応)で検索を行う。こうしたsearch intentは検討過程の中で連続的に発生するもので、検索広告だけ、ディスプレイ広告(純広告)だけ、では効果が限られる。しかし、ディスプレイ広告とサーチを組み合わせればクリック数が向上し、コンバージョン率を大きく増加できると強調した。
この考えを元に、コンバージョンに貢献したアクションの過程を捉えることを説く。例えば、最終検索のキーワードがメーカー名、ブランド名、製品名であっても、その検索ワードを点で押さえてもあまり意味はなく、線で押さえることが重要だという。その最終検索のキーワードに至るまでの検索過程の全体を把握することが大切なのである。事例として、SEM予算を増やさずにサーチによる売上げを前年比2倍にした米航空会社のケースを解説した。
自然なリンクの増加が図られる仕組みを目指すべき
続いて、ソーシャルメディアを取り上げて、マーケティングの観点から、注目の理由を解説し、「ソーシャルメディアからのトラフィック獲得」、「効率的かつ十分な自然リンクを獲得可能」、「ユーザの声(口コミ)を利用したマーケティング」の3点を挙げ、トラフィック獲得モデルを示した。
そして、リンクだけを意識したSEO対策を行うのではなく、効率的で自然なリンクの増加が図られる仕組みを目指すべきであると強調。例えば、自社サイトにレビューなどの形でユーザーの声を反映させるなどで、特に商品ページ+ユーザーの声といった構成は効果的という。
最後に、デジタル資産の管理・最適化について解説。Googleユニバーサル検索を取り上げて、今やSEOの対象はテキストだけでなく全てのデジタルコンテンツになっていると指摘。検索を通じてひとつのキーワードとテキスト、音声、画像、動画など、多様なコンテンツが結びつくため、SERP(検索エンジンの検索結果を表示するページ)をメディアとして捉えた対応が必要と強調し、締めくくった。