SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ここからはじめよう!アドテクノロジー基礎講座

広告効果測定ツールの誕生からアトリビューションの概念が生まれた背景まで、一連の流れを理解しよう【アトリビューション編:第4回】

消費者の意思決定プロセスを再考してみよう

 また、AIDMAやAISASといわれるような消費者の意思決定プロセスがあるとした場合、コンバージョンに至る直前のラストクリックだけを評価対象にしていてもあまり意味がありません

 たとえば、テレビCMなどのマス広告を出稿すると、その広告主企業サイトへのアクセスが増加することがよくあります。それと連動して、その広告主企業のブランド名などの検索数も増加し、リスティング広告経由のコンバージョン数も増えることがあります。また、バナー広告のCTRが上昇することもありますし、CVRが上がることもよくあります。

 テレビCMなどマス広告をみて気になる情報があると、検索してウェブサイトを訪問する消費者がいることは、想像できますよね。また、バナー広告のCTRが上がったりするのは、テレビCMをみて頭に残っている情報と同じものをバナー広告で目にするとリマインドになりクリックにつながることなどがあるのでしょう。

 似たような現象は、リスティング広告と連動してバナー広告を出稿した場合にも起こることがあります。バナー広告をみることによって気になった情報をあとから検索することもあるでしょう。そしてバナー広告をクリックして広告主企業サイトを訪問し、一度は離脱したとしても、その後に気になって検索する消費者がいるのだと思います。

 つまり、テレビCMなどのマス広告やバナー広告などが、Attention(注意)からInterest(興味・関心)に至るプロセスの起点となっていて、その後のAction(行動)につながっていると考えられるのです。

「アトリビューション分析」「アトリビューション・マネジメント」という言葉の登場

 ラストクリックだけを評価対象にすることが問題視され始めた2008年頃、「アトリビューション分析」や「アトリビューション・マネージメント」という言葉が登場しました。私自身が最初に耳にしたのは、たしか2008年のSES(Search Engine Strategies)という展示会・カンファレンスでした。SESはアメリカを中心におこなわれているサーチエンジンマーケティング業界のイベントです。このイベントの中で、アトリビューションに関するセッションが登場してきました。

 その中で紹介された事例は、これまでのラストクリックだけを評価対象にするのではなく、コンバージョンパスデータ(コンバージョンに至る経路のデータ)を取得し、初回クリック→中間クリック→ラストクリックのすべての経路を評価対象にするというものでした。

 また、その分析に基づいて、広告予算のリアロケーション(再配分)をおこなったところコンバージョン数が増加したというのです。CPAも悪化していないとのことでした。このように、アトリビューションの導入事例がアメリカで紹介されるようになり、アトリビューションへの注目度が日本でも一気に高まっていくことになりました。

次のページ
アトリビューションと3PASの関係

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
ここからはじめよう!アドテクノロジー基礎講座連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/06/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17773

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング