スマートフォンのホーム画面へのアプローチ
——4月に発表された「Home」はスマートフォンに対するアプローチとして非常に興味深いものでした。また、Facebookのメッセージの機能のひとつである「チャットヘッド」はホーム画面にアイコンが表示されることが新鮮でした。Homeのねらいについてお聞かせください。
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「Home」はまだ一部のユーザーにしか公開していませんが、「非常にすばらしい体験だ」というフィードバックをいただいています。このサービスはまだ初期の段階であり、これをどのように展開すべきかは、まだこれから検討する必要があります。

このプロジェクトはFacebookが掲げる「モバイル・ファースト」から「モバイル・ベスト」への過程の一部であり、最終的なヴィジョンにいたるまでにさらに多くの開発が必要です。ユーザーにとって大切な人たちとつながることができるよう改善し、最終的なヴィジョンをつくりあげていきたいと思っています。
ソーシャルとネット選挙
——日本では今年ネット選挙が解禁され注目が集まっています。オバマ大統領のソーシャルメディアを活用した選挙活動は有名ですが、ネット選挙においてソーシャルメディアが果たす役割についてはどうお考えでしょうか。
実は、私がFacebookで仕事をしたいと思った理由のひとつがここにあります。つまり「オープンでつながった世界をつくりあげる」というのが私たちの仕事の核心だと思っています。
私は基調講演で日本人のYutaさんの活動を紹介しました。彼は若者が選挙に参加しないのはよくないと考え、投票を促す活動をFacebookで行いました。大規模でなくても、彼は実際に行動を起こしたのです。それこそが未来の方向であり、私たちはいつも「こういうことをしなくてはいけないよね」と話しています。

もともとフェイスブックはビジネスのためにつくられたものではありません。先ほどデータドリブンな会社だと言いましたが、ミッションドリブン、使命志向型の企業でもあります。米国では2008年の大統領選挙の選挙活動において、オバマ大統領だけでなく、ほかの候補者もFacebookを活用しています。日本ではネット選挙は始まったばかり。でも、今後ソーシャルネットワークをつかった選挙が成功すれば、そこにはよりオープンでつながる世界の可能性が秘められていると思います。
——では、最後にあらためてFacebookマーケティングについて。
市場におけるビジネスチャンスというのは、きちんとターゲットをしぼり、関与することによって生まれます。ソーシャルはマーケティングファネル全体に関与する重要なものですが、ソーシャルだけにフォーカスするのは間違っています。マーケティング全体をしっかりとらえて、ソーシャルを活用してほしいと思います。
マーケティングには、すべてのビジネスを成長させる可能性がある。私たちはソリューションを改善し、マーケターの方々の予算と時間を最大限に活用できるよう努力しています。日本には非常に大きなチャンスがたくさんあります。そしてやることもたくさんある。そのためにも、日本でしっかり投資をしていきたいと思っています。