マーケターが果たすべき責任とは?
――基調講演でAdobe Marketing Cloudの5つのソリューションのデモを観ました。PinterestのようなUIで、どんな人にも使いやすく統合されたツールが提示された今、次にマーケターは何をすべきなのでしょうか。
基調講演の時にも話しましたが、マーケターとしては4つのアクションが必要になってきます。顧客の声や行動に耳を傾け、予測をして、組み立てて、そしてメッセージを届けることです。ツールをうまく活用しながら、組織の中のサイロを壊していくことが重要になってくるでしょう。
マーケターの仕事の一つに、企業としてのブランドの価値を高めていくことがあると思います。企業の予算はデジタル側にどんどん注がれています。その中でのマーケターの責任というのは、説明責任を担ったかたちで活動を行っていくことでしょう。
その説明責任を果たす際に、アドビのソリューションが役立ちます。すなわち、デジタル分野において、どれだけの投資に対して、どれほどリターンがあったのか、きちんと証明することができるのです。
また、現実的な課題として組織の問題があるでしょう。マーケターの役割としては、他のマーケターやアナリスト、クリエイターと手を組み、一丸となってすばらしいエクスペリエンスを顧客へ提供していくことです。
米国企業が向き合っている2つの課題
――日本よりも2~3年先を行くと言われている米国のマーケティング事情。現在、米国企業はどんなソーシャルメディアマーケティングの課題に向き合っているのでしょうか。
2つカテゴリーがあると思います。1つはSNSに対してマーケティングのキャンペーンを打ち出していかなくてはならないことです。マーケターは、できるだけ多くの人たちに対してメッセージを配信したいと考えています。では、たくさんの人がどこにいるかというと、SNSですよね。
今日の若者は、SNSを介してブランドとコミュニケーションを行っています。企業は自社の製品や、マーケティングのストーリーなどを打ち出したいときに、SNSをうまく活用することで、若者というオーディエンスをキャプチャ―することができます。
2つ目はエンゲージメント、すなわち顧客とのやり取りという側面です。SNSは、ブランドと顧客の間に非常にユニークなつながりを提供してくれます。今までのディスプレイ広告や、その他の広告ではできなかった直接的な顧客との対話を、SNSであれば実現することができるのです。企業として、このチャンスをうまく活かさずに、顧客と対話をしないことは、愚かだと思います。
Adobe Socialが目指していることは、Facebookで「いいね!」をもらうとか、Twitterでフォロワーを増やすということではなく、実際にどれだけ儲かるのかという点がポイントになってきます。ソーシャルメディアの活用により、どれだけの売上の機会をもたらすことができるのか、それこそが我々の目的です。