今、どのような「インタラクション」が必要とされているのか?
今回のイベントのテーマは「INTERACTIONS(インタラクション)」、すなわち双方向の対話であった。「インタラクション」は、これまでも多方面で語られてきたテーマでもあるが、マルチチャネル、マルチデバイス、そしてソーシャルが当たり前の様に普及した今、その意味合いは変化している。顧客との最適なエンゲージメントを実現し、ロイヤリティを向上させることで強いブランドを築き続けるためには、一体どんなインタラクションが必要なのだろうか?
ソーシャルメディアの登場と浸透、そしてスマートフォンの普及により、顧客との接点はよりマルチチャネル化し、情報の伝達経路はより複雑になりつつある。それと共に、「Awareness(認知)」→「Consideration(検討)」→「Preference(選択)」→「Purchase(購入)」といった、単一チャネルを前提とした旧来の線形マーケティングファネルは、もはや崩壊しつつあると言えるだろう。
続々と増え続ける新たなチャネルとデバイスは、マーケターに対しプレッシャーとして重くのしかかると共に、1年前には存在しなかったような新たなソリューションによる挑戦を要求している。
市場形成の普及カーブは確実に変化している
では、新しいデバイス、新しいチャネル環境を通じた顧客とのインタラクションをいかに最適化していくべきなのだろうか。ブランディングを図っていくために、どうやって正しいメッセージを最適なタイミングと最適なチャネルを通じて届けるか。2日目以降のセッションでは、この新しい挑戦においてマーケッターが直面する問題と成功事例が紹介された。
Experian North AmericaのCEOであるVictor Nichols氏は、「The Coming Epidemic!」と題し、「市場形成の普及カーブには確実に変化が出ている」と切り出した。
Innovators(革新者:2.5%)からEarly Adopters(初期採用者:13.5%)、Early Majority(前期追随者:34.0%)へとマーケットシェアが拡大し、Late Majority(後期追随者:34.0%)からLaggards(遅滞者:16.0%)へと縮小していくイノベーター理論のカーブ「Traditional adoption(従来型の普及)」は、Early AdoptersからContagion Users(伝播ユーザー)に伝わった瞬間に爆発的な広がりを見せる「Epidemic adoption(流行性の普及)」に変わってきている。まるで伝染病の広がりにも似たこの様相は、Instagram、Pinterest、OpenTableといったテクノロジーの流行カーブを見ても明らかだ。
モバイルやソーシャルメディアといった様々なチャネルがいくつも広がり、個人の小さなネットワークが互いにつながり合っているMicro-nets環境において、信頼できるインタラクションは人気を呼んで急激に大きく広がる。
信頼できるインタラクションを実現するには、全てのマーケティングタッチポイントを最適化し、ターゲットとなる消費者セグメントを見分け、あらゆるチャネルを横断して一貫性のあるメッセージを発信しなければならない。
Victor Nichols氏は、「エクスペリアンではクロスチャネルマーケティングソリューションとしてインタラクションの実現を支援する準備が整っている」と講演を締めくくった。