「テーマの明確化」がビッグデータ活用の要
「今や多くの企業が分析ツールの導入を検討し、ビッグデータを活かそうとしています。それがうまくいっていない理由の一つは、分析テーマが明確化されていないことです」と、杉原氏は指摘する。
データが膨大なだけに、「顧客をセグメントに分けたい」「優良顧客の定義を明らかにしてCRMにつなげたい」といった大きなテーマでは、なかなか分析の仕方や施策の方向性が定まらない。そこでブレインパッドでは、「テーマの明確化」をビッグデータ活用のポイントに挙げている。
データマイニングツールは、高速でデータの法則や特徴を見つけ出してくれるが、優良顧客になる条件や顧客セグメントを定義してくれるわけではない。そこで、何をしたいかというテーマを事前に見据えておく必要がある。例えば「初回購入の顧客が2回目にも購入する確率を出し、それが4%以上の人にクーポンを出す」「過去に未購入の商品から次に買う確率が高い商品を5個ピックアップし、レコメンドする」などだ。これらのテーマのうち、分析に関わる部分はツールを操作することで短時間にデータを得ることができる。
分析には、顧客マスター(個人情報は不要)と購買履歴のほかに、商品情報、Webアクセスログ、それからソーシャルメディア上の情報や位置情報データなどを利用できるが、「顧客マスターと購買履歴があれば、「KXEN InfiniteInsight」でかなり詳細な知見を得られる」と東氏は話す。
過去のデータを未来の購買促進に活かす
具体的には、まず顧客一人ひとりに対していつ何を購買したかをひもづけ、購入履歴から商品別や月別の売上金額を集計し、すべて一行にまとめてAR(Analytical Record)を構築する。単なる集計ではなく、各顧客の動きやパターンを表現したARデータを分析すれば、顧客行動の傾向を導き出すことができる。そうすると、その傾向から未来予測をすることが可能になる。
「例えば、ある属性である行動を取った人が商品Aを買う確率が高かったとすると、顧客データの中からその属性と行動に該当する人を抽出し、商品Aをレコメンドします。そうすることで、やみくもにレコメンドするよりもはるかに高い確率で売上を上げることが望めます。こうした形で、過去のデータを未来の購買促進に活かすことができます」(東氏)
ここからは、実際に「KXEN InfiniteInsight」を活用して成果を挙げている企業の事例が紹介された。まず挙げられたのは、全国に4,500の支店と12万人の販売員を擁する国内大手化粧品メーカーの事例だ。訪問販売が特徴であり、700万件もの購買データを蓄積していたが、予測分析を実施してデータを販売活動に活用することが十分にできていなかった。そこで「KXEN InfiniteInsight」を使って20万人の顧客一人ひとりに最適なレコメンド商品を分析し、営業支援として販売員に提供。新人でも成果を出せるようになり、売上が3%向上したほか、販売員のモチベーションも上がったという。
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