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動画広告活用最前線(PR)

メディア企業は機を逃すな!広告主の動画広告出稿マインドは上昇中、早急にマネタイズモデルの確立を

 世界中で急成長しつつある動画広告市場。これまでやや後手に回っていた日本市場にもいよいよ活性化の兆しが見え、そのポテンシャルに熱い視線が注がれている。はたして動画はメディアに、そして広告主に対してどのようなメリットをもたらすのか。また、効果的な動画広告の在り方とはどのようなものか。世界各国で事業を展開し、動画広告市場を牽引してきたブライトコーブ株式会社のアジア太平洋・日本担当 シニアバイスプレジデントであるデニス・ローズ氏にお話を伺った。(バックナンバーはこちら)

モバイルネイティブ層の拡大が動画広告市場拡大に直結

 ネットで閲覧するコンテンツの中でも動画が急速に増加していることは、誰もが認めるところだろう。スマートフォンやタブレットなどデバイスの普及とともに、無線ネットワークの高速化やセキュリティ向上といったインフラの整備が進み、快適に動画を楽しめる環境が整いつつある。

ブライトコーブ株式会社 アジア太平洋・日本担当 シニアバイスプレジデント デニス・ローズ氏

 ブライトコーブ株式会社 アジア太平洋・日本担当 シニアバイスプレジデントのデニス・ローズ氏は、様々な技術的な進化でオンライン動画の表現力が飛躍的に向上したことによる「atmosphication(atmosphere+cationの造語)=雰囲気作り・空気感」を、動画市場の拡大を牽引した理由の一つにあげる。この実現によってユーザーエクスペリエンスが飛躍的に向上し、動画がユーザーに与える影響力が高まったというわけだ。

 「オンラインでの動画閲覧環境が快適になるに従ってコンシューマの行動が変化し、それに追従してビジネス側も変わってきています。動画広告市場が拡大傾向にあることは、どの国も変わりません。たとえば、米国の2013年度の動画広告市場は4,000億円規模ですが、2016年には倍の8,000億円に達すると予測されています。とはいえ、国の事情に応じて、市場の拡大スピードには大きな差があるようです」

 ローズ氏曰く、動画広告の市場として最も大きいのは米国だが、その一方で動画閲覧数において最も勢いがあるのはアジア圏だという。その背景には、デバイスの価格低下や無線高速ネットワークの整備に加え、中産階級が経済力を身につけ、中でも若年層がコンシューマとして大きな影響力を持つようになってきたことがある。たとえば米国の国民平均年齢が38歳なのに対して、インドネシアの国民平均年齢は26歳と若い。モバイルネイティブと呼ばれる層が経済の主役となりつつあることが、動画広告市場の拡大に直結しているといえるだろう。

 そして、ローズ氏は「日本の平均年齢は45歳と高く、既存の広告手法が十分に成熟していることから動画広告に踏み込むタイミングがやや遅れた感は否めません。しかし、市場としての魅力はもちろん、閲覧環境が整っている上に、広告に対する目も肥えており、魅力あるコンテンツも潤沢に保有しています。広告収益の新しいマネタイズの機会が十分にあるにも関わらず、実に『もったいない』状態といえるでしょう」と指摘する。

海外の動画広告最新事例紹介

 これまでも日本において動画広告市場への注目が集まっていたが、2013年からは急速に動画広告市場が活性化してきたという。様々な業界の日本を代表する大手企業が、動画広告に積極的に乗り出そうとしている。しかし、『目が肥えている』日本のコンシューマーに対して、どのような動画広告が効果的なのか。そのヒントとして、ローズ氏は海外の動画広告最新事例を提示する。

1)AD selector

 アドセレクター、言い換えると「選べる広告」である。コンテンツ再生時に、2~3種類のオプションが表示され、ユーザーは自分が見たい広告を選択することができる。また、いずれも選択しなかった場合は、その他の動画広告が自動再生される。

 ニュージーランド国営放送局TVNZの「キャッチアップTV」では、ユーザーは2種のプリロール動画広告から自分が見たいものを選択。この場合、競合他社の類似製品の広告を並べるのではなく、同一企業の別ブランド製品の広告を並べるのがよいという。このプレミアムな広告枠は、通常より35%高く広告費を設定することができ、TVNZはより高い収益を上げることができた。

2)AD on pose

 アドオンポーズは、長編動画を閲覧中に一時停止すると、静止画または広告がポップアップで出てくる仕組み。ユーザーにストレスを与えることなく、広告配信が可能になる。

3)AD hover

 画面上の画像にカーソルを置くと、動画や画像が浮かび上がる仕組みをアドホーバーという。BMWは、AD hoverを活用し、車のエンジンの仕様が見えるコンテンツ施策を実行した。その結果、36%のユーザがページ上で平均2分間に渡って何らかのアクションを起こし、自社サイトへのクリック率が2%向上したという。

4)QRコード連携によるドラマ配信

 韓国ロッテは、同社の栄養ドリンクに毎週異なるQRコードを記載し、モバイルでスキャンすると1分間の動画を見られるプロモーションを行った。動画は10週分10回連載で配信され、当時テレビドラマに出演していた男女の俳優を起用した恋愛ドラマになっている。ドラマ人気もあって閲覧数が増加し、商品そのものの売上が向上。逆に商品からテレビドラマへの誘導にも成功した。

動画広告の魅力は効果を見える化できること

 動画広告の特徴を「広告と思わせないエンターテイメント」とローズ氏は語る。そして、その高い訴求力に加えて、効果を測定できることも動画広告の魅力の一つだ。同社の 『Video Cloud』 では、いつ、どのデバイスで、どの程度ユーザーに視聴されたか、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに投稿したか、どこでどのように一時停止を押したのかなど、様々な事項について事細かく測定・分析することができる。もちろん、特定の属性の人にのみ広告を配信するターゲティングも可能だ。

米国において、ますます伸長する動画広告の予算投下率
【参照】eMarketer Webinar: Trends in Video Advertising and Measurement

 ターゲティングによって精度を高め、効果を「見える化」することで、広告主はPDCAサイクルを回しながら、計画的に自信をもって広告を出せるようになる。事実、2013年の米国のディスプレイ広告支出において、動画広告が占める割合は23.4%であったが、2015年にはさらに30.2%へと伸長する見込みだ。このような傾向からも、動画広告の効果に対する信頼や期待が高まっていることを読み取れる。

動画でブランディングを行う時代へ。高まる広告主のメディアへの期待

 動画活用に積極的な企業の中には、動画広告を直接的な商品のプロモーションだけでなく、ブランド価値向上に活用しようというところも増えてきた。ブライトコーブのブランド価値向上調査でも、ソーシャルメディアやアプリケーション、そしてブランドに関するコンテンツに投資し、さらにそれらを融合させて活用できているところほどブランド価値が高いという結果が得られたという。

 実践している企業として、ローズ氏はスポーツ用品メーカーの「プーマ」とエナジードリンク「レットブル」の事例を提示。「プーマ」は自社サイトだけでなく、SNSやInstagramでも動画を配信し、ブランドの世界観を強く訴求しているという。また「レットブル」の自社サイトには商品動画はほとんどなく、アートやクラブカルチャー、モータースポーツなどの「レッドブルが飲まれるシーン」の動画が数多く掲載されている。それが気分やライフスタイルを含めたレッドブルのブランド価値を高めることに成功しているというわけだ。

 また、動画が活用されるシーンは広告だけではない。ある調査から、優れた企業の多くは動画を会社案内や人材採用コンテンツ、メイキング映像、カスタマーサービス用の使い方やメンテナンスなど、多彩な場面で活用していることが明らかになった。さらに、動画は広告出稿としてペイドメディアに掲載するだけでなく、内容によってはオウンドメディア、アーンドメディアなどすべてに使えるコンテンツでもある。動画を含めたコンテンツをメディアを横断して複合的に活用することで、ユーザーとのコミュニケーションを促進し、ファンを増やし、マーケティングとしての効果を生み出すことができる。

 こうしたブランド企業にとって、既に高い信頼性を持つメディアは広告出稿先として大変魅力的な存在だ。YouTubeなどの動画SNSでは意図したブランドイメージコントロールができないが、信頼あるメディアであれば、コンテンツと絡めた動画配信も可能になり、ブランド価値を守り育てることができる。メディア側にとっても、新たな広告の収益源として大いに期待できるはずだ。

 「メディア企業が本業であるコンテンツ制作に集中できるよう、そのマネタイズを支援していくのがプライトコーブの役割だと考えています。手間のかかる管理調整部分をツールを活用することで効率化することで、メディアの広告収益を最大化できることでしょう。米国などの先進事例からもわかるように、ブランド企業側の動画広告への関心は急速に高まってきています。ぜひとも各社メディアには門戸を開いていただきたいですね」

 ローズ氏の熱意あふれる言葉には、動画広告市場の拡大への大きな期待が感じられる。世界的な潮流が押し寄せる中、もはや手をこまねいている時期ではないだろう。新しい波に乗れるか否か。メディア企業にとっては大きな潮目になることは間違いない。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/11/11 18:13 https://markezine.jp/article/detail/18684