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LINEマーケティング活用企業特集

1万人超の来店で5,400万円の売り上げ!LINEはスマートフォンのメルマガとなるか【第5弾:大丸松坂屋】

LINE活用事例第1弾:1万人超の来店で約5,400万円の売り上げ

 同社は2013年3月12日に「大丸・松坂屋」LINE公式アカウントを開設した。同時に、同社のキャラクターである「さくらパンダ」のスタンプ企画を実施し、1日で100万人の友だちを獲得した。最終的に310万人がさくらパンダのスタンプをダウンロードし、約3か月後の6月末時点でおよそ5,000万回のスタンプが利用された。

第1弾のキャンペーンで来店したお客様に配布した
さくらパンダのチロルチョコレート。とってもかわいいです◎

 そして一気に友だちを獲得した同社は、4月5日から7日の3日間で、LINEを活用したキャンペーン第1弾を実施した。店舗に来店した先着1万名にさくらパンダのオリジナルチロルチョコを、また1,000円以上の買上でさくらパンダのステーショナリーグッズを先着1万名にプレゼントするといったメッセージをLINEで配信した。

 当時、数字上では300万人程度の友だちがいたが、実質配信したメッセージ数は約210万通。そこから実際に来店してチョコレートを受け取った顧客数は約11,600人であった(用意した1万人分のチョコレートなくなった後は、代わりにステッカーを配布)。また、約8,200枚のレシートがステーショナリーグッズと引き換えられ、それを集計すると売上合計金額は約5,400万円にも上った。1,000円以上の買上が条件であったが、1レシートあたりの単価は約6,600円であり、期待以上の成果が出たという。

当初の狙いとは違った結果に

 ここで興味深いのは、キャンペーンに参加した顧客の構成であった。そもそもは新規顧客獲得を狙って実施した施策であったが、グッズを引き換えた8,200枚のレシートのうち、実に7割が同社が発行するハウスカードを利用した顧客であった。つまり、ハウスカードをすでに保持している既存の優良顧客ということだ。そしてハウスカードの顧客情報から、その7割の顧客の年齢分布を見ると、30・40代で6割を占め、次いで多いのが50代という内訳であった。

 「LINEに対して、高校生や大学生などの若年層が使っているメディアというイメージを持っていましたが、ふたを開けてみると、思った以上に既存顧客が多く、キャンペーンに参加していただいたお客様の年齢層が高かったですね。国内でも4,700万人を超えるLINEユーザーがいるのだから、10~20代だけのメディアではないことがわかりました。我々の既存のお客様もLINEを使っていることが、この結果から明らかになりました」

 では、既存顧客への来店促進ならば、LINEでなくても、メルマガやソーシャルメディアでもリーチできるのではないか?とたずねたところ、「とはいえ、テレビCMをあまりやらない我々にとって、LINE以外に今のところ何百万人単位でダイレクトにリーチできるメディアはありません」と洞本氏は応える。

 「メルマガ会員も頑張って集めていますが、現状では70万人程度です。新聞折込では、多くても数十万レベルです。そう考えると、決して数が多ければ良いというわけではありませんが、LINEの大きなプラットフォームは魅力的で、予算を投じる価値があります。そしてLINEでつながることのできる友だちには、これまで大丸・松坂屋と縁のなかった人も多く含まれています。

 LINEで調査されたデータによると、大丸・松坂屋の公式アカウントと友だちになり、さくらパンダのスタンプをダウンロードしてくれたユーザーは、10・20代が3割を占めていました。その人たちにお店に来てもらうまでにはまだまだ難しいのかもしれませんが、さくらパンダのスタンプはご利用いただいているわけですし、一つの成果・チャレンジとしてこの施策を実施した意味はあると思っています」

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LINE活用事例第2弾:キャンペーンに付随した売上は7,000万円

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

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MarkeZine(マーケジン)
2013/11/01 14:00 https://markezine.jp/article/detail/18741

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